選挙管理委員および同補充員を指名推選の方法により選任することは違法ではない。
選挙管理委員および同補充員の指名推選による選任の適否。
地方自治法182条1項,地方自治法182条3項,地方自治法118条1項,地方自治法118条4項,地方自治法施行令134条
判旨
普通地方公共団体の議会が行う選挙管理委員等の選挙において、指名推選の方法を用いることは地方自治法118条により許容されており、適法である。
問題の所在(論点)
地方自治法182条3項等の規定がある場合に、選挙管理委員および同補充員の選任について、同法118条に基づく指名推選の方法を用いることができるか。
規範
地方自治法118条は、法律またはこれに基づく政令により普通地方公共団体の議会において行う選挙全般について、指名推選の方法を用いることができる旨を規定している。したがって、特定の役職(選挙管理委員等)の選任であることを理由に、指名推選による方法を直ちに違法と解すべきではない。
重要事実
普通地方公共団体の議会において、選挙管理委員および同補充員の選任が指名推選の方法によって行われた。これに対し、地方自治法182条3項および同法施行令134条が投票による選任を前提とした規定であることを根拠に、当該選任の違法性が争われた。
事件番号: 昭和23(オ)165 / 裁判年月日: 昭和24年8月9日 / 結論: 棄却
一 選挙に関する訴願を不適法として県選挙管理委員会がこれを却下した場合においても、裁判所が選挙又は当選の効力について判決をすることは違法ではない。 二 訴願を裁決した県選挙管理委員会を被告とする訴訟の判決で、市選挙管理委員会のした告示を取り消すことは違法ではない。 三 当選訴訟で当選の有効であることを確認する判決は違法…
あてはめ
地方自治法118条は広く議会で行う選挙について指名推選を認めている。これに対し、同法182条3項および同法施行令134条は投票により選任した場合の手続を定めた規定に過ぎず、指名推選による選任を禁止・排除する趣旨を含むものではない。したがって、本件における指名推選による選任手続は、同法118条の規定に則った適法なものといえる。
結論
選挙管理委員および同補充員の選任に指名推選の方法を用いることは適法であり、本件選任を違法とした上告人の主張は認められない。
実務上の射程
地方自治法上の「選挙」において、個別規定が投票手続を定めていても、118条の指名推選が排除されるわけではないことを示す。議会運営の裁量と手続の適法性を検討する際の基礎となる判例である。
事件番号: 昭和35(オ)464 / 裁判年月日: 昭和35年9月1日 / 結論: 棄却
投票管理者が投票立会人の意見を聞かないで代理投票補助者を選任した違法があるというだけでは、右補助者による代理投票は無効とはならない。