検察庁法第三六条により区検察庁の検察官の事務を取り扱う検察事務官は、同庁に対応する簡易裁判所に公訴を提起することができる。
区検察庁検察官事務取扱検察事務官の公訴提起
検察庁法(昭和27・7・31法律268号による改正(法務総裁を法務大臣と改称)前のもの)2条1項,検察庁法(昭和27・7・31法律268号による改正(法務総裁を法務大臣と改称)前のもの)3条,検察庁法(昭和27・7・31法律268号による改正(法務総裁を法務大臣と改称)前のもの)4条,検察庁法(昭和27・7・31法律268号による改正(法務総裁を法務大臣と改称)前のもの)36条,刑訴法247条
判旨
区検察庁の検察事務官が検察官事務取扱として行った公訴提起は、検察庁法に基づき認められる正当な職務執行であり、刑事訴訟法247条等に違反せず有効である。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法247条が定める検察官独占主義の例外として、検察事務官による公訴提起が認められるか、及びその有効性が問題となった。
規範
検察官以外の者が公訴を提起することは、刑事訴訟法247条(国家訴追主義・検察官独占主義)に抵触し原則として無効である。しかし、個別法(改正前の検察庁法36条等)に基づき、法務総裁(現・法務大臣)が必要と認めて検察事務官に検察官の事務を取り扱わせる場合は、当該事務官は適法な起訴権限を有する。
重要事実
被告人が起訴された事案において、その公訴提起は検察官ではなく区検察庁の検察事務官によって行われた。弁護人は、検察官以外の者による起訴は刑事訴訟法247条に違反し無効である旨を主張して上告した。
あてはめ
本件における区検察庁の検察事務官は、改正前の検察庁法36条に基づき、検察官不足を補うために法務総裁から検察官の事務を取り扱うよう命じられていた。この規定は、検察事務官に当分の間、例外的に検察官の職務権限を付与するものである。したがって、当該事務官による公訴提起は、適法な権限に基づきなされたものといえる。ゆえに、刑事訴訟法247条等の公訴提起に関する規定に違反する点は認められない。
結論
本件起訴は有効であり、公訴棄却等の訴訟手続の違法は存在しない。上告棄却。
実務上の射程
検察官独占主義の例外を認める個別法の有効性を確認した判例である。現代の刑事訴訟法・検察庁法体系においても、検察官事務取扱(副検事等)の権限の根拠を整理する際の基礎的な論理として活用できる。
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