栃木県税賦課徴収条例六八条は旧地方税法三六条の委任に基くものであり同条令二七条二項は同法七五条の委任に基いて定められたものと解すべきである。
栃木県税賦課徴収条例六八条同二七条二項の適法性
栃木県税賦課徴収条例(昭和23年条例23号)68条,栃木県税賦課徴収条例(昭和23年条例23号)27条2項,旧地方税法36条,旧地方税法75条
判旨
地方税法に基づき、徴収の便宜を有する者を特別徴収義務者として条例で定めることは憲法に違反せず、また入場無料であっても実質的に入場料の性質を帯びる寄附金等を入場料とみなす規定も適法である。
問題の所在(論点)
1. 地方税法の委任に基づき、条例で催物の主催者等を特別徴収義務者と定めることは憲法および法律に適合するか。 2. 名目上は寄附金等であっても実質的に入場料の性質を有するものを入場料とみなして課税する条例規定は有効か。
規範
地方税法が「徴収の便宜を有する者」をして税を徴収させることができると定めている場合、その委任に基づき条例で催物の主催者や経営者を特別徴収義務者と定めることは許容される。また、名目が寄附金や祝儀(花)であっても、実質的に入場料または利用料の性質を帯びるものについて、これを入場料等とみなして課税対象とすることも法律の委任の範囲内として認められる。
重要事実
被告人は催物の主催者であったが、県条例および市条例の規定に基づき入場税の特別徴収義務者とされていた。当該条例は、旧地方税法36条2号および75条の委任に基づき、主催者を入場税の徴収義務者と定め、かつ、入場無料で公開する場合であっても、領収する寄附金や「花」が入場料の性質を帯びているときはこれを入場料とみなすと規定していた。被告人側は、これらの条例規定が憲法に違反し、法の委任を逸脱するものであると主張して争った。
あてはめ
旧地方税法36条は、徴収の便宜を有する者に入場税等を徴収させることができると明定しており、これに基づき主催者を徴収義務者とした県条例68条および市条例26条は、法律の委任の範囲内の適法な定めといえる。また、県条例27条2項が、大衆に無料で公開され寄附金が入場料の性質を帯びない場合を除外した上で、実質的に入場料としての性質を有する寄附金等を「税込の入場料」とみなすとした点は、旧地方税法75条の委任に基づく合理的な規定であり、租税法律主義等の憲法原則に反するものではない。
結論
本件条例の規定は憲法および地方税法の委任に反するものではなく、被告人を徴収義務者として処罰することは適法である。
実務上の射程
租税法律主義(憲法84条)に関連し、地方税における条例への委任の限界と特別徴収義務者の指定の合憲性が示された事例。実務上は、形式的な名目に拘泥せず実態に即して課税対象を捕捉する規定の有効性を裏付ける判例として活用できる。
事件番号: 昭和33(あ)1413 / 裁判年月日: 昭和37年2月21日 / 結論: 棄却
一 地方税法(昭和25年法律第二二六号)に規定された遊興飲食税の特別徴収制度は、憲法第一一条、第一二条、第一三条、第二二条および第二九条に違反しない。 二 同法第一二二条第一項は、憲法第三一条、第三六条に違反しない。 三 同法第一二条第一項は、憲法第二一条に違反しない。 四 同法第一二条第一項にいう煽動とは、同条項に掲…