英文で記載した証拠書類がその訳文とともに朗読されている場合には、その証拠調をもつて裁判所第七四条に違反するものということはできない。
英文で記載した証拠書類の取調が裁判所法第七四条に違反しない一事例
裁判所法74条,刑訴法177条,刑訴法305条
判旨
第一審判決が証拠として採用したCID(犯罪捜査課)の報告書が、適法に証拠調べを経たものである場合には、その手続に違法はない。
問題の所在(論点)
第一審判決が証拠としたCIDの犯罪捜査報告書について、適法な証拠調べが行われたといえるか。また、同報告書の証拠能力や手続の適法性が問題となる。
規範
刑事訴訟法上の証拠調べ手続において、書面が証拠として採用されるためには、その書面が適法な証拠調べ手続(内容の告知や異議の機会の付与等)を経ていることを要する。
重要事実
第一審判決において、CIDの犯罪捜査報告書が証拠として採用された。この報告書は、調査報告書として訳文が存在する書類の一部であった。被告人側は、当該報告書の証拠採用について手続上の不備等を主張して上告した。
あてはめ
記録に照らすと、第一審判決が証拠としたCIDの犯罪捜査報告書は、実際には調査報告書の訳文の一部を指していることが明らかである。この書面については、公判過程において適法に証拠調べが行われたことが記録上認められる。したがって、証拠採用の手続に何ら違法な点は存在しないと評価される。
結論
本件証拠調べ手続に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
伝聞例外や証拠調べ手続の適法性が争点となる事案において、記録上適法な証拠調べが行われていることが確認できる場合には、形式的な書類名称の齟齬等があっても直ちに違法とはならないことを示す一例として活用できる。
事件番号: 昭和25(あ)2456 / 裁判年月日: 昭和27年3月25日 / 結論: 棄却
一 判決の証拠説明において証拠能力のない書面を挙げていても、それが他の証拠能力のある供述書に引用せられており、その内容を補足する趣旨のものに過ぎないときは、違法ではない。 二 右の場合、供述書の証拠調の方法としては、これを朗読する外引用せられた書面を朗読すれば足り、これを示す必要はない。