控訴趣意提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対しては、右最終日の通知を要しない。
控訴趣意書提出最終日指定の後に弁護人選任届の提出された弁護人に対する最終日通知の要否
刑訴規則236条1項
判旨
控訴趣意書の提出最終日の通知(刑訴規則236条)は、最終日指定当時、既に選任されている弁護人に対して行えば足り、指定後に選任された弁護人への通知は不要である。
問題の所在(論点)
控訴趣意書の提出最終日の指定後に選任された弁護人に対し、裁判所は刑訴規則236条に基づく最終日の通知を行う義務を負うか。
規範
刑訴規則236条が控訴申立人の弁護人に対する最終日の通知を義務付けているのは、最終日の指定当時において既に選任されている弁護人がある場合に、その弁護人に対して通知を要するという趣旨であると解すべきである。
重要事実
原審は、控訴趣意書の提出最終日を昭和25年6月13日と指定し、指定当時既に選任届が提出されていた弁護人中山および被告人に対し、同年5月9日に最終日を通知した。その後、同年5月13日になって新たに弁護人徳永が選任されたが、原審はこの新任弁護人徳永に対しては最終日の通知を行わなかった。
あてはめ
本件において、弁護人徳永が選任されたのは最終日指定(5月9日)から4日経過した5月13日であった。規範に照らせば、裁判所は「最終日指定当時」に選任されていた弁護人に対して通知を行えば足りる。したがって、指定時点で未選任であった徳永に対して通知を欠いたとしても、手続上の違法は認められない。
結論
最終日指定後に選任された弁護人への通知を欠いた原審の手続に違法はなく、上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
控訴審手続における弁護権の保障の範囲を画定する射程を持つ。被告人の防御権確保のため、指定後に選任された弁護人は自ら訴訟記録や被告人・前任弁護人等を通じて最終日を確認すべき責務を負うことを示唆している。
事件番号: 昭和37(し)35 / 裁判年月日: 昭和37年9月27日 / 結論: 棄却
刑訴規則第二三六条の法意は、控訴趣意書差出最終日の通知は右最終日の指定後に弁護人選任届の提出された弁護人に対してこれをすることを要しない趣旨と解すべきである(昭和二五年(あ)二七七七号同二七年五月六日第三小法廷判決、刑集六巻五号七三三頁参照)