一 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一号は、憲法二一条一項に違反しない。 二 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一号は、憲法二二条一項に違反しない。 三 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一、二号は、憲法二九条一、二項に違反しない。 四 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一、二号は、憲法三一条の法意に反しない。 五 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第一八七号による改正前のもの)三条一、三項は、憲法三五条の法意に反しない。 (四につき意見がある。)
一 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一号と憲法二一条一項 二 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一号と憲法二二条一項 三 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一、二号と憲法二九条一、二項 四 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一、二号と憲法三一条 五 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一、三項と憲法三五条
新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和59年法律第87号による改正前のもの)3条1項,新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和59年法律第87号による改正前のもの)3条3項,憲法21条1項,憲法22条1項,憲法29条1項,憲法29条2項,憲法31条,憲法35条
判旨
行政手続における告知・聴聞等の機会の付与は、権利利益の内容、公益の程度、緊急性等を総合較量して決定されるべきであり、本件工作物使用禁止命令は高度かつ緊急の必要性が認められるため、事前手続を欠いても憲法31条に違反しない。
問題の所在(論点)
行政処分に際して事前の告知・聴聞の機会を与えないことが憲法31条の適正手続の保障に反するか。また、過激派の集合等に使用される「おそれ」があるという要件が憲法21条等に照らし不明確あるいは過度に広範ではないか。
規範
憲法31条の保障は行政手続にも及ぶが、常に告知・聴聞の機会を与えることを必要とするものではない。事前手続の要否は、①制限を受ける権利利益の内容・性質・程度、②達成しようとする公益の内容・程度、③緊急性等を総合較量して決定される。また、法文上の要件が「現に行っているか、又は行う蓋然性が高い」と解釈でき、過度に広範でなく明確であれば憲法に違反しない。
事件番号: 平成5(行ツ)50 / 裁判年月日: 平成15年12月4日 / 結論: その他
1 土地収用法(昭和47年法律第52号による改正前のもの)第3章第1節の規定及びこれに基づいて建設大臣がした事業認定(昭和44年建設省告示第3865号)は,憲法31条の法意に反しない。 2 公共用地の取得に関する特別措置法(平成11年法律第160号による改正前のもの)が定める緊急裁決の制度は,憲法29条3項に違反しない…
重要事実
成田空港建設に反対する過激派集団が管制塔を破壊する等の事件が発生した。これを受け、新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(成田新法)が制定された。同法3条1項に基づき、運輸大臣(当時)は、過激派の集合の用に供されるおそれがある工作物(通称:横堀要塞)に対し、1年間の使用禁止命令を発した。同規定には、事前の告知や弁解の機会を与える旨の規定がなかったため、工作物の所有者である上告人が、同法が憲法21条、31条等に違反すると主張して処分の取消しを求めた。
あてはめ
①本件命令により制限されるのは工作物を過激派の集合等の用に供する利益にすぎない一方、②保護される利益は航空の安全や乗客の生命・身体という極めて重大な公益である。また、③過去の破壊活動等の経緯に照らせば、安全確保には高度かつ緊急の必要性が認められる。これらを総合較量すれば、事前手続の規定がなくても憲法31条に反しない。さらに、法文上の「おそれ」とは「蓋然性が高い」ことを意味すると限定的に解釈可能であり、不明確な規制とはいえない。加えて、目的の正当性と手段の必要・合理性も認められ、表現の自由(21条)や財産権(29条)の侵害にも当たらない。
結論
本法3条1項1号は憲法21条、31条、29条等に違反せず、本件処分は適法である。
実務上の射程
行政手続に対する憲法31条の適用を認めたリーディングケースである。答案上は、行政手続法が適用除外となる場合(3条各項等)や、行手法制定前・適用外の不利益処分において、手続的適正を憲法論から論じる際の判断枠組み(総合較量)として用いる。
事件番号: 昭和29(オ)335 / 裁判年月日: 昭和31年9月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事保全法上の特別の事情による仮処分取消において、債権者が仮処分により保全しようとする権利が金銭的賠償によって究極の目的を達し得る場合には、それのみで「特別の事情」に該当し、他の争点を判断せずとも仮処分を取り消すことができる。 第1 事案の概要:上告人は、ある権利を保全するために仮処分命令を得てい…
事件番号: 昭和49(あ)1716 / 裁判年月日: 昭和50年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】多数の被告人が関与する複雑な事件において、適正な裁判の実現のためにやむを得ないと認められ、かつ被告人の防御権に著しい支障を与えない限り、分割審理を行うことは適法である。 第1 事案の概要:被告人らが関与した事件(いわゆる三里塚事件関連)の第一審において、裁判所は審理の便宜のため、他の共犯者等と分離…