株主総会決議無効確認の訴の決議無効原因として主張された瑕疵が決議取消原因に該当し、しかも、右訴が決議取消訴訟の出訴期間内に提起されている場合には、決議取消の主張が出訴期間経過後にされたとしても、右決議取消の訴は出訴期間の関係では決議無効確認の訴提起時に提起されたのと同様に扱うのが相当である。
株主総会決議無効確認の訴が株主総会決議取消の訴の要件をみたしている場合における決議取消の主張と決議取消の訴としての出訴期間の遵守
商法247条,商法248条,商法252条
判旨
株主総会決議無効確認の訴えにおいて、主張された瑕疵が取消原因に該当し、かつ提訴時点で取消訴訟の原告適格や出訴期間等の要件を満たしているならば、出訴期間経過後の取消しの主張も適法なものとして扱うべきである。
問題の所在(論点)
株主総会決議無効確認の訴えにおいて、無効原因として主張された瑕疵が実際には取消原因であった場合、出訴期間経過後に取消しの主張を追加・変更することは許されるか。会社法上の出訴期間制限との関係が問題となる。
規範
株主総会決議の取消原因と無効原因の区別は、法的安定性の観点から原告適格や出訴期間を制限した点にある。したがって、無効確認の訴えの提起時に取消訴訟の要件(原告適格・出訴期間等)を満たしている場合には、その後に取消原因としての主張がなされたとしても、無効確認の訴え提起時より取消しの主張があったものと同様に扱うのが相当である。
重要事実
上告人は、株主総会決議の無効確認を求める訴えを提起した。その際、無効原因として主張された瑕疵は、実際には決議取消原因に該当するものであった。被告側は、当該取消しの主張が出訴期間経過後になされたものであるとして、その適法性を争ったが、無効確認の訴え自体は取消訴訟の提訴期間内に提起されていた。
事件番号: 昭和24(オ)347 / 裁判年月日: 昭和25年6月13日 / 結論: 棄却
解任された取締役につきなされた辞任の登記は、取締役たる資格消滅という身分変動については、結局真実に合致しているから、登記としてその効力を有する。
あてはめ
本件では、無効確認の訴え提起時点で取消訴訟としての原告適格を有し、かつ提訴期間内であった。法の趣旨は手続的瑕疵による法的混乱を早期に確定させることにあるが、提訴自体が期間内になされている以上、法的安定性を害することはない。ゆえに、たとえ具体的な取消しの主張が期間経過後であっても、遡及的に期間を遵守したものと解される。
結論
本件取消訴訟(への主張の切り替え)は、出訴期間を遵守したものとして適法であり、判決は正当である。
実務上の射程
訴えの形式にかかわらず、実質的に決議の効力を争う訴えが期間内に提起されていれば、後の主張整理による取消原因への切り替えを許容する柔軟な運用を示す。答案上は、決議の瑕疵が取消・無効のいずれか微妙な事案において、原告の救済を論じる際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和43(オ)565 / 裁判年月日: 昭和44年1月31日 / 結論: 棄却
見せ金による株式の払込をしたにすぎない株主であつても、原告として、株主総会決議無効確認の訴を提起することができる。
事件番号: 昭和39(オ)883 / 裁判年月日: 昭和47年11月8日 / 結論: その他
株式会社が株券の発行を不当に遅滞し、信義則に照らして、株式譲渡の効力を否定するのを相当としない状況に至つたときは、株券発行前であつても、株主は、意思表示のみにより、会社に対する関係においても有効に株式を譲渡することができる。
事件番号: 昭和44(オ)89 / 裁判年月日: 昭和46年3月18日 / 結論: その他
一、株主総会招集の手続またはその決議の方法に性質、程度等からみて重大なかしがある場合には、そのかしが決議の結果に影響を及ぼさないと認められるようなときでも、裁判所は、右決議の取消請求を認容すべきであつて、これを裁量棄却することは許されない。 二、株主総会招集の手続が、その招集につき決定の権限を有する取締役会の有効な決議…
事件番号: 昭和28(オ)1123 / 裁判年月日: 昭和30年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】株主総会決議に参加した特定の株主の株式取得原因が公序良俗に反し無効であるとしても、それは決議方法の違法に留まり、決議内容の違法には該当しない。 第1 事案の概要:上告人らは、本件株主総会の決議形成過程において、特定の株主が株式を取得した原因が犯罪に関連し、民法90条(公序良俗)に反して無効であると…