臨時免許状を有する教育職員は、その免許状の失効により当然に失職する。
教育職員臨時免許状の失効と教育職員の失職。
教育公務員特例法3条,教育職員免許法3条1項,教育職員免許法9条2項
判旨
教育職員免許法が定める免許状の保有は教育職員の資格要件であり、免許状が失効した場合には、地方公務員法等の規定にかかわらず、当然にその職を失う。
問題の所在(論点)
公立学校の教員が、教育職員免許法に基づく免許状を失効させた場合に、地方公務員法上の身分保障にかかわらず当然に失職するか。また、助教諭は同法3条1項の「教育職員」に含まれるか。
規範
教育職員免許法3条1項は「教育職員は、この法律により授与する各相当の免許状を有する者でなければならない」と規定しており、同法は地方教育行政法35条にいう身分取扱いに関する「特別の定め」に当たる。したがって、免許状を有することは教育職員の必須の資格要件であり、これを欠くに至った場合には、特段の手続きを要さず当然に失職するものと解するのが相当である。
重要事実
上告人は昭和26年9月、無免許のまま中学校助教諭(後に小学校助教諭)に任用された。当時は法令の経過措置により助教諭仮免許状を有する者とみなされていたが、その後法令が改正され、昭和28年及び29年に有効期間1年の臨時免許状を授与された。さらに昭和29年の免許法改正により臨時免許状の有効期間が3年に延長されたが、上告人の免許状は昭和32年3月31日をもって有効期間が満了し失効した。
あてはめ
上告人が保有していた臨時免許状は、教育職員免許法9条2項等の規定に照らし、昭和32年3月31日をもって明白に失効している。上告人は助教諭であり教育職員にあたるため、同法3条1項の資格要件を充足する必要がある。当初無免許で任用された経緯は、当時の暫定的なみなし規定に基づくものにすぎず、その後の法改正により資格要件が厳格化された以上、免許状を欠くに至った時点で職を維持する法的根拠は失われている。したがって、免許の失効により当然に教育職員としての身分を喪失したと判断される。
結論
教育職員免許状が失効した上告人は、同日に教育職員を当然に失職したといえる。
実務上の射程
地方公務員の身分保障の原則(地公法27条・28条)に対する教育職員免許法の特別法優越を認める射程を持つ。資格任用制をとる他の公務員職種において、資格喪失が当然失職に結びつくか否かを検討する際の基礎的な判断枠組みとして活用できる。
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