現在の法令による死刑執行方法の違法を主張して、死刑を執行される義務を負わないことの確認を求める訴は不適法である。
現在の法令による死刑執行方法の違法を主張して死刑を執行される義務を負わないことの確認を求める訴の適否。
行政事件訴訟特例法1条
判旨
刑事判決が確定した死刑の執行方法が違法であると主張して、行政事件訴訟法に基づき公法上の確認訴訟を提起することは、刑事判決の内容を実質的に争うものに帰するため、不適法である。
問題の所在(論点)
確定した刑事判決に基づく死刑執行に対し、その執行方法が違法であることを理由として、行政事件訴訟の手法により「執行義務の不存在」を争うことができるか。
規範
刑事判決は、国が法令所定の執行機関及び方法により刑を執行する権利を有し、被告人がこれを甘受すべき法律関係を当然に肯定した上で命じられるものである。したがって、執行方法の違法を理由に、現行の執行方法による執行義務がないことの確認を求める訴訟は、実質的に刑事判決の取消変更を求めるものに等しく、許されない。
重要事実
上告人(原告)は、長野地裁松本支部において死刑判決を受け、昭和33年に確定した。上告人は、国(被上告人)が予定している現行の死刑執行方法が違法であると主張し、当該方法による執行義務を負わないことの確認を求めて行政事件訴訟(公法上の確認訴訟)を提起した。
事件番号: 昭和38(オ)149 / 裁判年月日: 昭和38年4月19日 / 結論: 棄却
現在の法令による死刑執行方法の違法を主張して、死刑執行の言渡処分の取消、同言渡処分の無効確認等を求める訴は不適法である。
あてはめ
死刑判決は、現行法所定の執行方法により死刑を執行することを当然の前提としている。上告人が主張する執行方法の違法性は、刑事訴訟法が定める救済手続を通じて争うべき事項である。これをあえて行政事件訴訟として提起することは、刑事判決の効力を側面から否定するのと同義であり、訴訟制度の趣旨に照らして不適法といえる。
結論
本件訴えは不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
刑事判決に基づく公権力の行使(刑の執行)について、行政訴訟の枠組みで争うことの限界を示した判例である。行政訴訟と刑事手続の峻別を強調しており、刑事裁判の既判力や法的安定性を害するような行政訴訟の提起は認められないという法理として、行政救済法上の訴えの利益や対象性の議論で参照される。
事件番号: 昭和34(オ)1215 / 裁判年月日: 昭和36年3月3日 / 結論: 棄却
農地所有権が登記簿上の住所から転居した際、郵便局にその旨届出をしておいたため、買収令書の交付に代る公告が行われた昭和二四年三月三一日当時においては、登記簿上の旧住所あての郵便物は転送されすべて新住所で受領されており、買収計画に関する同年二月二一日附の県農地委員会の訴願裁決書(あて先は、いつたん旧住所を記載の上新住所に訂…