出訴期間遵守の有無は職権調査事項である。
出訴期間の遵守の有無と職権調査。
行政事件訴訟特例法5条,自作農創設特別措置47条の2
判旨
行政事件訴訟において、出訴期間の経過は裁判所の職権調査事項であり、被告の抗弁がなくても裁判所は自らこれを判断しなければならない。
問題の所在(論点)
行政訴訟において、出訴期間が経過しているか否かは、被告側の本案前の抗弁を待たずに裁判所が職権で判断できる職権調査事項にあたるか。
規範
行政事件訴訟における出訴期間の遵守は、訴訟要件の一つである。訴訟要件の存否は職権調査事項に属するため、被告による本案前の抗弁の有無にかかわらず、裁判所は職権でこれを調査し、判断を下すべき義務を負う。
重要事実
上告人らが提起した買収処分の無効等を争う訴訟において、原審(控訴審)は、被告側の抗弁の有無に関わらず、出訴期間が経過しているか否かについて独自の判断を示した。これに対し、上告人側は、相手方の抗弁がないにもかかわらず出訴期間の徒過を判断した原判決には違法があると主張して上告した。
あてはめ
出訴期間の制限は、行政処分の効力を早期に確定させ、法的安定性を図るという公益的要請に基づくものである。したがって、これは当事者の主張に左右されるものではなく、裁判所が当然に確認すべき事項(職権調査事項)である。本件において、原審が出訴期間経過の有無を自ら判断したことは、職権調査事項の性質に鑑み正当であり、手続上の違法は認められない。
結論
出訴期間経過の有無は職権調査事項であり、被告の抗弁を待たずに判断した原判決に違法はない。
実務上の射程
訴訟要件全般(出訴期間、被告適格、処分性など)が職権調査事項であることを示す際の論拠として使用できる。答案上は、被告側の主張がない場合でも、裁判所が訴えを不適法として却下できる法的根拠を説明する際に簡潔に引用すべき判例である。
事件番号: 昭和28(オ)484 / 裁判年月日: 昭和32年6月13日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】行政庁が不変期間の徒過を宥恕して受理した訴願裁決は、行政事件訴訟特例法上の「訴願の裁決」に該当し、当該訴願人の承継人は自ら訴願を経ることなく訴訟を提起できる。 第1 事案の概要:農地買収計画に対し、F社及びGが法定期限を約5ヶ月経過した後に県農地委員会へ訴願を提起した。県農地委員会は、期限徒過に宥…