再審の訴提起後に再審事由を変更した場合においては、変更の時に新再審事由による訴の提起があつたものとして出訴期間を計算すべきである。
再審の訴提起後に再審事由を変更した場合における新再審事由に関する出訴期間。
民訴法424条,民訴法427条2項
判旨
再審の訴えの提起後に新たな再審事由を追加・変更する場合、その出訴期間の遵守は変更の時を基準とすべきであり、判決正本の送達により知り得た事由を期間経過後に主張することは不適法である。
問題の所在(論点)
再審の訴えの提起後に不服の理由(再審事由)を変更・追加した場合における出訴期間遵守の基準時、および判断遺脱等の事由を知った時期の認定が問題となる。
規範
再審の訴えにおいて不服の理由を変更(新たな再審事由を摘示)した場合、その新事由についての出訴期間(民事訴訟法342条1項相当)の遵守は、当該変更の時を標準として判断すべきである。また、判断遺脱等の再審事由は、特段の事情のない限り判決正本の送達によりこれを知ったものと解される。
重要事実
上告人は昭和30年5月に再審の訴えを提起したが、当初の訴状には判断遺脱の再審事由を記載していなかった。その後、昭和31年4月に補正書を提出し、同年7月の口頭弁論期日で初めて当該再審事由を陳述した。原審は、判決正本の送達により上告人は再審事由を知ったと認定し、30日の出訴期間を徒過していると判断した。
事件番号: 昭和41(オ)833 / 裁判年月日: 昭和41年12月22日 / 結論: 棄却
民訴法第四二〇条第一項但書後段にいう「之ヲ知リテ主張セサリシトキ」のなかには、当事者が、再審事由のあることを知りながら、上訴を提起しなかつた場合をも含むものと解すべきである。
あてはめ
本件において、判断遺脱の再審事由は判決正本を一読すれば知り得るものであり、これを知り得なかった特段の事情の主張立証もないため、送達時にこれを知ったといえる。再審事由の追加は、訴え提起から相当期間経過した後の口頭弁論での陳述によりなされており、この変更時を基準とすると、知った日から30日以内という出訴期間を明らかに徒過している。
結論
再審事由の変更時を基準として出訴期間の遵守を判断すべきであるから、期間経過後になされた本件再審事由の摘示は不適法であり、却下を免れない。
実務上の射程
再審事由の追加・変更が実質的に新たな再審の訴えと同様の性質を持つことを踏まえ、出訴期間規制の潜脱を防ぐ趣旨。答案上は、再審事由の追加が許されるか、あるいは期間制限との関係で不適法とならないかを論じる際に、変更時基準説の根拠として用いる。
事件番号: 昭和30(オ)835 / 裁判年月日: 昭和33年5月29日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】控訴期間内に提出された書面が、標記は「訴状」であっても内容から控訴状と認め得る場合は、不備があっても直ちに控訴を不適法として却下すべきではなく、補正を命じる等の適切な手続を執るべきである。 第1 事案の概要:第一審判決の正本送達(昭和30年2月7日)後、控訴期間内である同月17日に、第一審裁判所へ…
事件番号: 昭和36(ヤ)3 / 裁判年月日: 昭和36年9月15日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】再審事由としての刑事上の罰すべき行為(旧民訴420条1項4号・6号)について、有罪判決の確定等の要件を満たさない場合や、判決に影響を及ぼすべき重要な事項の遺脱(同9号)に基づく再審の訴えが出訴期間を経過した後に提起された場合は、いずれも不適法として却下される。 第1 事案の概要:再審原告は、旧民訴…