一 日本国有鉄道は、日本国有鉄道法第六三条により、自作農創設特別措置法第五条第一号の適用につき国とみなされる。 二 日本国有鉄道がその職員の食糧確保のための厚生施設として利用している農地は、日本国有鉄道法第六三条により自作農創設特別措置法第五条第一号の適用につき国とみなされる日本国有鉄道が「公用に供している農地」にあたらない。 三 日本国有鉄道法第六三条により自作農創設特別措置法第五条第一号の適用につき国とみなされる日本国有鉄道が「公用に供している農地」というためには、その農地を使用することが法令により認められた日本国有鉄道の事業の範囲内の行為と認められる場合であれば足り、これを使用することが法令の根拠に基く場合であることを要しない。
一 日本国有鉄道は、自作農創設特別措置法第五条第一号の適用につき国とみなされるか。 二 日本国有鉄道がその職員の食糧確保のための厚生施設として利用している農地は、日本国有鉄道法第六三条により自作農創設特別措置法第五条第一号の適用につき国とみなされる日本国有鉄道が「公用に供している農地」にあたるか。 三 日本国有鉄道法第六三条により自作農創設特別措置法第五条第一号の適用につき国とみなされる日本国有鉄道が「公用に供している農地」というためには、その農地を使用することが法令の根拠に基く場合であることを要するか。
日本国有鉄道法63条,自作農創設特別措置法5条1号
判旨
自作農創設特別措置法5条1号の「公共用又は公用に供している農地」とは、国等が行う事業の遂行上直接必要なものに限定される。職員の食糧確保のための厚生施設としての利用は、事業遂行上直接必要とは認められず、同号の除外事由に当たらない。
問題の所在(論点)
自作農創設特別措置法5条1号の買収除外事由である「公共用又は公用に供している」農地といえるためには、どのような基準で判断すべきか。特に、国鉄が職員の食糧確保のために利用している農地がこれに該当するかが問題となった。
規範
自作農創設特別措置法5条1号にいう、国等が「公共用又は公用に供している農地」に該当するか否かは、単に法令上の根拠があるか、あるいは私法上の使用関係であるかによって決まるのではなく、その土地の使用が当該主体の事業遂行上「直接必要」なものであるか否かによって判断すべきである。
事件番号: 昭和41(行ツ)41 / 裁判年月日: 昭和43年5月28日 / 結論: 破棄差戻
耕地整理の施行により大略一反歩ずつに整然と区画されて後、都市計画法による都市計画区域に編入された土地を対象とする農地買収処分の無効確認訴訟において、旧所有者である原告から、右土地が大都市近郊の住宅地として開発され、戦前すでに風致地区に指定された旨の主張があり、また判示のように、右土地の耕作が必ずしも正当な権原に基づくも…
重要事実
日本国有鉄道(国鉄)が、職員の食糧確保を目的とする厚生施設として本件農地を賃借・利用していた。その後、当該農地について買収計画が立てられたが、国鉄側は、国鉄が日本国有鉄道法63条により国とみなされる以上、本件農地は同法5条1号の「公共用又は公用に供している」農地に該当し、買収の対象外であると主張した。
あてはめ
本件において、国鉄が農地を利用していた目的は「職員の食糧確保のための厚生施設」としての利用であった。このような利用形態は、たとえ国鉄の事業範囲内で行われる行為であったとしても、国鉄本来の事業(鉄道事業等)の遂行上、客観的にみて「直接必要」なものとは認められない。したがって、国が普通財産として使用している場合と同様の状態にあり、行政目的達成のために直接供されている「公用」には当たらないと解される。
結論
国鉄が職員の食糧確保のために利用する農地は、自作農創設特別措置法5条1号にいう「公共用又は公用に供している農地」には当たらないため、買収の対象となる。
実務上の射程
行政主体の土地利用が「公用」にあたるか否かを、形式的な根拠法令の有無ではなく、当該主体の本来の事務・事業との『直接的必要性』という実質面から画した点に意義がある。公法上の除外規定の適用範囲を限定的に解釈する際の判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和39(行ツ)21 / 裁判年月日: 昭和39年10月13日 / 結論: 棄却
自作農創設特別措置法第五条第四号により買収除外の指定を受けた区域内にある小作地であつても、これを同法第三条第一項第二号にいう在村地主の保有小作面積に算入することは許される。
事件番号: 昭和38(オ)1065 / 裁判年月日: 昭和40年8月2日 / 結論: 棄却
一 地主所有の果樹が生立する果樹園であつても、自作農創設特別措置法による農地買収の対象となる。 二 自作農創設特別措置法第三条第五項第二号によるいわゆる仮装自作地の買収については、同条第一項第二号、第三号所定の買収面積の制限を受けない。
事件番号: 昭和31(オ)902 / 裁判年月日: 昭和33年4月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】行政処分が当然に無効とされるためには、当該処分に重大かつ明白な瑕疵があることを要し、本件買収処分については小作地でない土地を小作地と誤認した点に明白な瑕疵が認められるため無効である。 第1 事案の概要:鎌倉市農地委員会は、本来は自作地(または小作地ではない土地)であった本件農地を小作地であると認定…
事件番号: 昭和36(オ)508 / 裁判年月日: 昭和37年8月21日 / 結論: 棄却
北海道旧土人保護法により無償下付を受けた土地であつても、自作農創設特別措置法による買収は違法ではない。