地方税法五九五条は、共有土地に対して課する特別土地保有税については、その共有者全員を集合的に同一の者としてとらえ、その共有に係る土地の合計面積によつて免税点の判定を行うことを規定するものと解すべきである。
共有土地と地方税法五九五条
地方税法595条
判旨
土地の共有者については、全員を集合的に「同一の者」として捉え、共有土地の全体面積によって特別土地保有税の免税点の判定を行うべきである。
問題の所在(論点)
土地の共有者に対する特別土地保有税の免税点の判定(地方税法595条)において、共有者各自の持分に応じた面積で判定すべきか、それとも共有者全員を集合的に捉えて土地全体の面積で判定すべきか。
規範
地方税法595条の「同一の者」が所有する土地の面積とは、文言上、所有形態を問わず所有権帰属主体が所有する土地の全体面積を指す。共有は共同で土地全体を所有する形態であり、別段の定めがない限り、共有者全員を一の集合体として、共有に係る土地全体の面積に基づき免税点の判定を行うべきである。
重要事実
上告人は土地の共有者の一人であった。特別土地保有税の課税に際し、課税当局は共有者全員を「同一の者」とみなして、共有土地の全体面積を合算して免税点(基準面積)の判定を行った。これに対し上告人は、共有者の各人が持分に応じた面積を所有するものとして各人ごとに判定すべきであり、合算による課税は地方税法595条の解釈を誤り租税法律主義(憲法84条)に違反すると主張して争った。
事件番号: 平成13(行ツ)205 / 裁判年月日: 平成14年12月17日 / 結論: その他
1 地方税法585条1項にいう「土地又はその取得」とは,経過的事実に則してとらえた土地の所有又はその所有権取得の事実をいい,所有権取得の原因となった法律行為が取消し,解除等により覆されたかどうかにかかわらない。 2 上告審は,不適法でその不備を補正することができない訴えを却下する前提として原判決を破棄する場合には,口頭…
あてはめ
まず文言上、同法595条に持分割合で按分する旨の特段の規定はない。また、同法585条4項等は共有者が共同で納税義務を負うことを前提としている。さらに、特別土地保有税の趣旨は一定規模以上の土地保有を通じた投機的取得の抑制や地価安定にあるところ、単独所有か共有かによって課税上の取扱いを異にする合理的理由はない。したがって、共有地は全体面積を合算して判定するのが相当である。
結論
共有者全員を集合的に「同一の者」と捉えて免税点の判定を行うとした原審の判断は正当であり、憲法84条にも違反しない。
実務上の射程
租税法における「同一の者」の解釈、および共有関係における納税義務の判定基準として重要である。実務上は、個別の持分ではなく、共有という一の所有形態に着目して免税点制度を運用することを肯定する射程を有する。
事件番号: 令和3(行ヒ)62 / 裁判年月日: 令和4年3月22日 / 結論: 棄却
複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無及び額については,分割の対象とされた個々の不動産ごとに,分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所有することとな…
事件番号: 平成31(行ヒ)99 / 裁判年月日: 令和2年3月19日 / 結論: 破棄自判
固定資産評価基準により隣接する2筆以上の宅地を一画地として認定して画地計算法を適用する場合において,各筆の宅地の評点数は,画地計算法の適用により算出された当該画地の単位地積当たりの評点数に,各筆の宅地の地積を乗ずることによって算出される。
事件番号: 昭和60(行ツ)179 / 裁判年月日: 昭和63年4月21日 / 結論: 破棄差戻
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事件番号: 昭和51(行ツ)55 / 裁判年月日: 昭和53年4月11日 / 結論: 棄却
共有不動産の分割により他の共有者の有していた持分を取得することは、地方税法七三条の二第一項にいう「不動産の取得」にあたる。