国税徴収法の定める第二次納税義務の納付告知には、国税の更正、決定等の期間制限に関する国税通則法七〇条は類推適用されない。
国税徴収法の定める第二次納税義務の納付告知と国税通則法七〇条の類推適用
国税徴収法32条1項,国税通則法70条
判旨
第二次納税義務の納付告知は、確定した主たる納税義務の徴収手続上の一処分としての性格を有し、独立した納税義務を創設するものではないため、国税通則法70条の更正・決定等の期間制限は類推適用されない。
問題の所在(論点)
第二次納税義務の納付告知について、国税通則法70条(賦課決定等の期間制限)を類推適用し、一定期間の経過によって告知権が消滅すると解することができるか。
規範
第二次納税義務は、確定した主たる納税義務を補完する補充的履行責任であり、その納付告知は徴収手続上の一処分としての性格を有する。そのため、具体的に発生する第二次納税義務は主たる納税義務と別個独立に発生するものではなく、主たる納税義務が存在する限りいつでも課せられる可能性がある。したがって、国税の賦課権の行使を制限する国税通則法70条(期間制限)が、第二次納税義務の納付告知に類推適用されることはない。
重要事実
上告人は、主たる納税義務者の滞納に関連して第二次納税義務を負う第三者である。税務当局は、主たる納税義務が確定した後に期間を経て、上告人に対し第二次納税義務の納付告知を行った。これに対し上告人は、国税通則法70条が定める更正・決定等の期間制限(除斥期間)が経過した後の告知は違法であると主張し、同条が第二次納税義務の告知にも類推適用されるべきであるとして争った。
事件番号: 平成26(行ヒ)71 / 裁判年月日: 平成27年11月6日 / 結論: 棄却
地方税法11条の8にいう「滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは,第二次納税義務に係る納付告知時の現況において,本来の納税義務者の財産で滞納処分(交付要求及び参加差押えを含む。)により徴収することのできるものの価額が,同人に対する地方団体の徴収金の総額に満たな…
あてはめ
第二次納税義務は、本来の納税義務者の財産への滞納処分でも不足する場合に、公平の観点から特別な関係にある第三者に履行責任を負わせるものである。本件納付告知は、既に確定している主たる納税義務の徴収を実効化するための手続きにすぎず、新たな納税義務を独立して創設する更正や決定とは性質を異にする。国税通則法70条が納付告知に触れていないのは、主たる納税義務の存続中に徴収処分として随時行われるべき性質に基づくと解される。したがって、同条の類推適用を認めるべき法的根拠はない。
結論
第二次納税義務の納付告知に国税通則法70条は類推適用されない。したがって、期間制限の経過を理由とする上告人の主張は採用できず、本件告知は適法である。
実務上の射程
本判決は、第二次納税義務の法的性質を「主たる納税義務の徴収手続上の一処分」と定義し、賦課権の制限に関する規定の適用を否定したものである。答案作成上は、第二次納税義務の付随性・補充性を強調する際の根拠として活用できる。ただし、消滅時効(徴収権)との関係は別問題であることに留意が必要である。
事件番号: 平成10(行ツ)149 / 裁判年月日: 平成15年12月19日 / 結論: 棄却
いわゆる一括支払システムに関する契約において譲渡担保権者と納税者との間でされた国税徴収法24条2項による告知書の発出の時点で譲渡担保権を実行することを内容とする合意は,同条5項の趣旨に反して無効である。 (補足意見がある。)
事件番号: 昭和51(行ツ)37 / 裁判年月日: 昭和51年10月8日 / 結論: 棄却
国税徴収法三九条にいう「受けた利益の限度」の算定にあたつては、当該受益財産の取得により課される道府県民税及び市町村民税の額は、これを右受益財産の価額から控除すべきものではない。