1 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者は,本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることができる。 2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合における同法77条1項所定の不服申立期間の起算日は,当該第二次納税義務者に対する納付告知がされた日の翌日である。 (1,2につき,意見がある。)
1 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることの可否 2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合の不服申立期間の起算日
(1,2につき)国税徴収法39条,国税通則法75条 (2につき)国税通則法77条1項,国税徴収法32条1項
判旨
国税徴収法39条所定の第二次納税義務者は、主たる課税処分の取消しを求める法律上の利益を有し、不服申立適格が認められる。その不服申立期間は、第二次納税義務者が納付告知を受けた日の翌日から起算すべきである。
問題の所在(論点)
第二次納税義務者に、本来の納税義務者に対する「主たる課税処分」を争う不服申立適格が認められるか。また、認められる場合、その不服申立期間の起算点はいつか。
規範
1. 第二次納税義務者は、主たる課税処分の違法により直接具体的な不利益を被るおそれがあり、その取消しにより回復すべき法律上の利益(国税通則法75条1項)を有する。 2. 国税通則法77条1項の「処分があったことを知った日」とは、第二次納税義務者が納付告知(納付通知書の送達)を受けた日を指し、不服申立期間はその翌日から起算する。
重要事実
麹町税務署長は本来の納税義務者D社に対し法人税課税処分を行い、D社は平成14年4月3日に通知を受けた。東京国税局長は、D社の財産譲渡を受けた上告人に対し、同年6月7日に第二次納税義務の納付告知を行い、8日に到達した。上告人は、主たる課税処分につき同年8月6日に異議申立てをしたが、処分庁は、D社への告知日を基準に不服申立期間(2か月)を経過しているとして却下。上告人は本件裁決の取消しを求めた。
事件番号: 平成10(行ツ)149 / 裁判年月日: 平成15年12月19日 / 結論: 棄却
いわゆる一括支払システムに関する契約において譲渡担保権者と納税者との間でされた国税徴収法24条2項による告知書の発出の時点で譲渡担保権を実行することを内容とする合意は,同条5項の趣旨に反して無効である。 (補足意見がある。)
あてはめ
第二次納税義務は主たる納税義務を前提に補充的に課されるものであり、違法な主たる課税処分は第二次納税義務者の負担を直接増大させるため、不服申立適格が認められる。本件のような無償譲渡等の取引相手は本来の納税義務者と常に一体とはいえず、納付告知を受けるまでは自己の地位を認識し得ない。したがって、納付告知を受けた時点で初めて「処分があったことを知った」といえる。本件では納付告知を受けた6月8日から2か月以内に異議申立てがなされており、適法である。
結論
第二次納税義務者は主たる課税処分を争う適格を有し、その期間は自己が納付告知を受けた日の翌日から起算されるため、本件不服申立ては適法である。却下した本件裁決は取り消されるべきである。
実務上の射程
行政上の不服申立適格・原告適格(法律上の利益)の判断において、第三者が処分の法的効果を補充的に受ける場合の射程を示す。特に、主たる処分の確定後に独自の告知を受ける関係にある者の出訴期限・期間の起算点について、実効的な権利救済の観点から「自己に告知された時」とする規範として機能する。
事件番号: 昭和48(行ツ)112 / 裁判年月日: 昭和50年8月27日 / 結論: 棄却
第二次納税義務の納付告知を受けた者は、本来の納税義務者の納税義務を確定した課税処分等が不存在又は無効でないかぎり、右納付告知の取消訴訟において、本来の納税義務者の納税義務の存否又は数額を争うことはできない。
事件番号: 平成6(行ツ)7 / 裁判年月日: 平成6年12月6日 / 結論: 棄却
国税徴収法の定める第二次納税義務の納付告知には、国税の更正、決定等の期間制限に関する国税通則法七〇条は類推適用されない。
事件番号: 平成26(行ヒ)71 / 裁判年月日: 平成27年11月6日 / 結論: 棄却
地方税法11条の8にいう「滞納者の地方団体の徴収金につき滞納処分をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合」とは,第二次納税義務に係る納付告知時の現況において,本来の納税義務者の財産で滞納処分(交付要求及び参加差押えを含む。)により徴収することのできるものの価額が,同人に対する地方団体の徴収金の総額に満たな…