共同相続人間における遺産確認の訴えは、固有必要的共同訴訟と解すべきである。
共同相続人間における遺産確認の訴えと固有必要的共同訴訟
民訴法62条,民訴法225条,民法898条
判旨
遺産確認の訴えは、共同相続人の間で合一にのみ確定することを要する固有必要的共同訴訟であり、共同相続人全員が当事者として関与しなければならない。
問題の所在(論点)
遺産確認の訴えが、民事訴訟法上の固有必要的共同訴訟に該当し、共同相続人全員を当事者とすることを要するか。
規範
遺産確認の訴えは、特定の財産が遺産分割前の共有関係にあることの確定を求めるものであり、その確定判決は後の遺産分割審判等における遺産帰属性の争いを封じる既判力を有する。したがって、共同相続人間の紛争を実効的に解決するためには、共同相続人全員が当事者として関与し、その間でのみ合一に確定することを要する固有必要的共同訴訟と解すべきである。
重要事実
本件は、共同相続人の一部が他の共同相続人を相手取り、特定の財産が被相続人の遺産に属することの確認(遺産確認の訴え)を求めて提起した事案である。原審は、当該訴えが固有必要的共同訴訟であることを前提に判断を示したため、上告人がその訴訟性質の解釈を争い上告した。
事件番号: 平成23(受)603 / 裁判年月日: 平成26年2月14日 / 結論: 破棄差戻
共同相続人のうち自己の相続分の全部を譲渡した者は,遺産確認の訴えの当事者適格を有しない。
あてはめ
遺産確認の訴えは、判決の既判力によって、後の遺産分割手続における当該財産の遺産帰属性を確定させる機能を持つ。この紛争解決の実質的根拠に照らせば、一部の相続人を除外して判断を下すことは紛争の解決に資さない。ゆえに、共同相続人全員の間で一律に権利関係を確定させる必要性が認められ、訴訟追行権は共同相続人全員に帰属すると評価される。
結論
遺産確認の訴えは固有必要的共同訴訟である。したがって、共同相続人の全員が原告または被告として加わらなければならない。
実務上の射程
本判決は、訴えの適格性(当事者適格)に関する実務上の重要な指針である。答案作成においては、特定の共同相続人を除外した訴えが不適法(却下)となる根拠として用いる。また、遺産「確認」の訴えに限られ、遺産分割「実行」の訴え(家事審判)とは区別して論述する必要がある。
事件番号: 昭和39(オ)1161 / 裁判年月日: 昭和43年5月28日 / 結論: 棄却
右の場合には、いわゆる固有必要的共同訴訟ではない。
事件番号: 昭和30(オ)87 / 裁判年月日: 昭和31年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産の譲受人が、前主から所有権を取得し、かつその移転登記を具備した場合には、所有権に基づき占有者に対して当該不動産の明渡しを請求することができる。 第1 事案の概要:被上告人(原告)は、訴外Dから本件係争家屋を買い受けた。被上告人は、この売買に基づき、本件家屋の所有権移転登記手続を完了した。その…
事件番号: 昭和46(オ)1092 / 裁判年月日: 昭和51年2月6日 / 結論: 棄却
土地賃借人が、賃貸借契約に基づく建物収去土地明渡請求権を被保全権利として、右土地建物につき処分禁止仮処分命令を得た場合において、右命令に違反してされた賃貸人の処分行為による第三者の権利取得は、賃借人に対する関係において全面的に否定されるべきものとなるわけではなく、第三者は、右権利取得を理由として、賃借人の賃貸契約上の権…
事件番号: 昭和41(オ)162 / 裁判年月日: 昭和43年3月15日 / 結論: 棄却
土地の所有者が、その所有権に基づいて、右地上にある建物の所有権を共同相続によつて取得した者らに対し、右建物の収去および土地の明渡を求める訴は、必要的共同訴訟ではないと解すべきである。