破産者がした債務の弁済が破産管財人により否認され、その給付したものが破産財団に復帰したときは、さきにいつたん消滅した連帯保証債務は、当然復活する。
破産者がした債務の弁済が否認され給付したものが破産財団に復帰した場合と連帯保証債務
破産法72条,破産法77条1項,破産法79条,民法446条,民法458条
判旨
主債務者の弁済が破産管財人により否認され、給付物が破産財団に復帰した場合には、一旦消滅した連帯保証債務は当然に復活する。
問題の所在(論点)
破産者による弁済が否認権の行使により効力を失い、給付が破産財団に復帰した場合、当該弁済によって消滅していた連帯保証債務は復活するか。また、債権者が否認権行使に対する訴訟で善意の抗弁を提出しなかったことが過失となるか。
規範
債務者である破産者が債権者に対して行った債務の弁済が、後に破産管財人によって否認され、その給付した財産が破産財団に復帰したときは、当該弁済によって一旦消滅した連帯保証債務は、当然に復活するものと解すべきである。
重要事実
債務者(破産者)が債権者(被上告人)に対して弁済を行ったが、その後、債務者について破産手続が開始された。破産管財人が当該弁済を否認し、弁済として給付された財産が破産財団に復帰した。これを受け、債権者は連帯保証人(上告人)に対して、一旦消滅したはずの連帯保証債務の履行を求めて提訴した。なお、別訴における善意の抗弁の不提出についても過失の有無が争点となった。
あてはめ
本件では、破産者による弁済が破産管財人の否認権行使によって否認され、給付物が財団に復帰している。連帯保証債務は主債務に附随するものであるところ、否認によって主債務の消滅という原因が遡及的に失われた以上、保証債務もその附随性に基づき復活すると解される。また、別訴において債権者が善意の抗弁を提出せずに敗訴したとしても、直ちに過失があるとは認められない。
結論
主債務者の弁済が否認された場合、連帯保証債務は当然に復活する。したがって、債権者は連帯保証人に対して債務の履行を請求できる。
実務上の射程
破産法上の否認権行使(現行破産法160条以下)に伴う保証債務の復活を認めたリーディングケースである。民法上の保証の附随性を重視する立場であり、答案上は否認の遡及的効果と保証債務の復活を論理的に結びつける際に用いる。現行破産法175条(否認権行使による債権の復活)の趣旨を保証債務にも及ぼす際の解釈指針となる。
事件番号: 昭和46(オ)774 / 裁判年月日: 昭和48年9月7日 / 結論: 棄却
手形債務を主たる債務として手形外の連帯保証契約が締結されている場合において、連帯保証人に対し裁判上の請求がされたときは、手形債務についても消滅時効が中断する。