指名債権が特定遺贈された場合、遺贈義務者の債務者に対する通知又は債務者の承諾がなければ、受遺者は、遺贈による債権の取得を債務者に対抗することができない。
指名債権の特定遺贈と債務者に対する対抗要件
民法467条1項,民法964条,民法985条1項
判旨
特定債権の遺贈につき受遺者が債務者に対抗するためには、遺贈義務者から債務者への通知、または債務者の承諾が必要であり、受遺者による通知では足りない。
問題の所在(論点)
特定債権の遺贈において、受遺者が債務者に対して対抗要件を具備するための通知は、誰が行うべきか。受遺者自身による通知の有効性が問題となる。
規範
特定債権が遺贈された場合、受遺者がその取得を債務者に対抗するためには、民法467条1項の類推適用により、債務者に対する通知または債務者の承諾を要する。そして、この通知は、債務者の二重弁済の危険を防止し、譲渡人(遺贈義務者)の関与を確実にする観点から、遺贈義務者からなされるべきであり、受遺者からの通知は対抗要件として認められない。
重要事実
遺言者から上告人に対し、被上告人らに対する貸金債権が遺贈された。受遺者である上告人は、被上告人らに対し、本件訴状の送達をもって当該債権を取得した旨を通知したが、遺贈義務者からの通知や被上告人らによる承諾はなされていなかった。
あてはめ
本件において、上告人は受遺者として債権取得の通知を行っているが、これは権利を取得する立場にある者からの通知にすぎない。対抗要件としての通知は、債権を失う立場にある遺贈義務者からなされることでその真正さが担保されるべきところ、本件では遺贈義務者による通知も、被上告人らによる適法な承諾も存在しない。したがって、訴状送達による上告人の通知のみでは対抗要件を充足したとはいえない。
結論
上告人は、遺贈によって取得した貸金債権を被上告人らに対抗することができず、請求は認められない。
実務上の射程
債権譲渡の対抗要件(民法467条1項)が、遺贈や債権の譲受人による代位通知を否定する文脈で類推適用される際の重要判例である。答案上は、遺贈義務者の特定(相続人など)に留意し、受遺者による直接の通知を否定する論拠として活用する。
事件番号: 昭和48(オ)726 / 裁判年月日: 昭和48年11月22日 / 結論: 棄却
破産者がした債務の弁済が破産管財人により否認され、その給付したものが破産財団に復帰したときは、さきにいつたん消滅した連帯保証債務は、当然復活する。
事件番号: 昭和26(ク)208 / 裁判年月日: 昭和26年12月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告のみが認められる。最高裁判所に対する抗告において、旧民事訴訟法413条に基づく再抗告の規定は適用されない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案…