政府に申告しないで、旧物品税所定の課税物品たるゴルフクラブ用バツグを数個の製造場で製造したときは、各製造場における製造行為ごとに不申告製造罪が成立する。
旧物品税法第一八条第一項第一号の不申告製造罪の罪数。
旧物品税法(昭和15年法律40号)15条,旧物品税法(昭和15年法律40号)18条1項1号,同法施行規則(昭和15年勅令150号)4条1項,刑法45条
判旨
複数の製造場で課税物品を製造した際、各製造場ごとに政府への申告を怠った場合は、各製造場における製造行為ごとに不申告製造罪が成立する。
問題の所在(論点)
政府に申告せず、複数の製造場で課税物品を製造した場合における、不申告製造罪の罪数および成立単位が問題となる。
規範
物品税法所定の課税物品を、政府に申告することなく複数の製造場で製造した場合、各製造場における個別の製造行為を捉えて、それぞれ独立した不申告製造罪を構成すると解すべきである。
重要事実
被告人は、政府に対して必要な申告を行うことなく、複数の製造場において物品税法の課税対象であるゴルフクラブ用バッグを製造した。この行為が、一つの罪(包括的一罪等)として扱われるのか、あるいは各製造場ごとに別個の罪を構成するのかが争点となった。
あてはめ
本件において、被告人はゴルフクラブ用バッグという課税物品を複数の場所で製造している。物品税法上の申告義務は製造場単位で課される性質のものであるから、申告を欠いたまま各製造場で行われた製造行為は、それぞれが同法の禁止する不申告製造にあたる。したがって、製造場が複数にわたる以上、各製造場における行為ごとに罪が成立すると評価される。
結論
各製造場における製造行為ごとに不申告製造罪が成立する。
実務上の射程
行政上の取締法規(特に税法)において、申告義務等の義務履行の単位が「場所」や「事業場」ごとに設定されている場合、各単位での違反行為は原則として別個の罪を構成することを示す一例として活用できる。
事件番号: 昭和35(あ)1932 / 裁判年月日: 昭和38年10月22日 / 結論: 棄却
原判決が、旧物品税法(昭和一五年法律第四〇号―昭和三四年四月二一日法律第一五〇号による改正前のもの)第一五条の定める製造者の申告は、物品税の徴収を確保するため、製造者および製造場の所在を明らかにすると共に、収税官吏が同法所定の質問、検査又は監督を行う必要上これをなさしめるものであるから、その申告は、同条所定の物品の製造…
事件番号: 昭和36(あ)188 / 裁判年月日: 昭和37年2月22日 / 結論: 棄却
物品税の納税義務者の従業員がその義務者の業務に関し不正行為をもつて物品税を逋脱した場合には、金員着服の目的によるときであつても、物品税法第一八条第一項第二号の罪が成立する。