政府に申告せずして、物品税法所定の課税物品たる写真機を自ら製造しかつ各別の相手方に委託して製造したときは、各製造行為毎に同法第一八条第一項第一号の不申告製造罪が成立する。
物品税法第一八条第一項第一号の不申告製造罪の罪数
物品税法15条,物品税法18条1項1号,物品税法施行規則4条,刑法45条
判旨
不申告罪における罪数について、数回の不申告行為がなされた場合には、それぞれの行為ごとに各別の不申告罪が成立する。
問題の所在(論点)
数回の不申告行為がなされた場合、それらが包括して一罪となるのか、あるいは各行為ごとに別罪(併合罪)が成立するのか(罪数論)。
規範
数回の不申告行為が行われた場合、それぞれの行為につき各別に不申告罪が成立し、併合罪の関係に立つものと解する。
重要事実
被告人が、法令上の申告義務があるにもかかわらず、複数回にわたって不申告行為を繰り返した事案。原審は、これらの各不申告行為につき各別に罪が成立すると判断した。これに対し、弁護人が事実誤認や法令違反等を理由に上告したものである。
あてはめ
本決定は、原判決が「被告人の各行為につき各別に不申告罪が成立すると判断したのは正当である」との判断を維持している。不申告という不作為であっても、申告すべき機会や義務の発生が複数回にわたる場合には、それぞれの義務違反行為が独立して犯罪を構成すると解される。
結論
被告人の各不申告行為について、各別に不申告罪が成立するとした原判決の判断は正当であり、上告は棄却される。
実務上の射程
義務違反という不作為の罪数について、行為の回数に着目して各別成立を認める実務の運用を確認したものである。答案上は、不申告罪の罪数を論じる際、包括一罪ではなく併合罪(各別成立)とする根拠として引用できる。
事件番号: 昭和26(あ)2334 / 裁判年月日: 昭和31年5月10日 / 結論: その他
一 物品税の課税標準価格は、通常の取引形態および取引事情における価格、したがつて適正な市場価格または取引価格でなければならないものであつて、統制額の定めのある物品についてはその統制額がこれにあたる。 二 物品税は月を標準として申告、課税、徴収するいわゆる月税であつて、その逋脱罪もまた月を標準として罪数を定めるべきである…