関税法第一一八条第二項にいう「犯罪が行われた時」とは、同条第一項に規定する各罪につき当該犯罪が行われた時と解すべきである。
関税法第一一八条第二項にいう「犯罪が行われた時」の意義。
関税法118条2項,関税法118条1項
判旨
関税法118条2項にいう「犯罪が行われた時」とは、同条1項に規定する没収対象となる各罪につき、当該犯罪が実際に行われた時を指すと解すべきである。
問題の所在(論点)
関税法118条1項の罪に係る物件を没収できない場合の追徴額の算定基準等に関わる、同条2項の「犯罪が行われた時」の意義が問題となった。
規範
関税法118条2項が適用される基準時である「犯罪が行われた時」とは、同条1項各号に掲げられた各罪の構成要件に該当する行為が現実に行われた時点を指すものと解される。
重要事実
被告人らが、外国産こんにゃく粉の輸入等に関連して関税法違反の罪に問われた事案。原審は鑑定書等の証拠に基づき有罪判決を下したが、被告人側は、関税法118条2項(没収・追徴の基準となる「犯罪が行われた時」の解釈)の適用について、法令違反や憲法違反等を理由に上告した。
あてはめ
最高裁は、被告人側が主張する違憲性の訴えを実質的な法令違反の主張にすぎないとした上で、同項の解釈について判示した。具体的には、条文の文言に忠実に、同条1項に規定する各罪(密輸入罪等)の実行行為が行われた時点を「犯罪が行われた時」と解すべきであり、原判決の判断に誤りはないとした。なお、証拠の誤記(鑑第183号と184号の取り違え)については、明らかな誤記であり判決の結論に影響しないとした。
結論
関税法118条2項の「犯罪が行われた時」とは、同条1項各号の犯罪行為が実施された時を指す。本件各上告は棄却された。
実務上の射程
関税法上の没収・追徴の価格算定基準時の解釈を示す重要判決である。答案上では、追徴額の算定が必要な事案において、客観的な犯罪実行時を基準とすべき根拠として活用できる。ただし、本決定自体は簡短な上告棄却決定であるため、具体的な算定実務については下級審裁判例も参照する必要がある。
事件番号: 昭和32(あ)935 / 裁判年月日: 昭和35年2月27日 / 結論: 棄却
関税法(昭和二九年法律第六一号)第一一八条第二項にいう「その没収することができないもの又は没収しないものの犯罪が行われた時の価格」とは、輸入貨物についてはその犯罪が行われた当時における国内卸売価格(関税および国内消費税込)をいう。
事件番号: 昭和45(あ)761 / 裁判年月日: 昭和46年3月25日 / 結論: 棄却
一 関税法(昭和二九年法律第六一号)一一八条二項により犯人から追徴すべき金額算定の基準たる価格、すなわち同項にいう「その没収することができないもの又は没収しないものの犯罪が行われた時の価格」とは、輸入貨物については、その犯罪が行なわれた当時における国内卸売価格(関税および内国消費税込)をいう。 二 昭和四一年法律第三六…