刑法第一八一条が、強姦致死と強姦致傷について同一の刑を定めていても、憲法第一三条に違反しない。
強姦致死と強姦致傷について同一の刑を定めている刑法第一八一条は憲法第一三条に違反するか。
刑法第181条,憲法13条
判旨
刑法181条(強姦致死傷罪)が、傷害の結果を生ぜしめた場合と死の結果を生ぜしめた場合で同一の法定刑を定めていることは、犯情に照らした適切な科刑を可能にするための合理的な理由があり、憲法13条に違反しない。
問題の所在(論点)
刑法181条(当時の強姦致死傷罪)において、傷害と死亡という結果の差異があるにもかかわらず、同一の法定刑を選択の幅として設定していることが、立法裁量の逸脱として憲法13条に違反するか。
規範
刑罰規定が他の刑罰に比して重いという理由だけで直ちに憲法13条に違反するとはいえない。当該規定が、犯罪行為の態様や結果の重大性に鑑み、犯情に照らして適切な科刑を行い得るように設けられたものであり、その立法目的に相当の理由が認められる場合には、憲法に適合する。
重要事実
被告人は強姦致傷の罪(刑法181条)で起訴されたが、弁護人は同条が、より重篤な結果である「死」を招いた場合と、それよりは軽い「傷害」に留まった場合を区別せず、同一の法定刑を科している点は、個人の尊重を定める憲法13条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
強姦致死傷罪の犯罪態様に照らせば、傷害の結果を生じた場合が、死亡の結果を生じた場合に比して常に犯情が軽いとは限らない。したがって、裁判所が個別の事案ごとに犯情に即した適切な量刑を判断できるよう、両者に同一の法定刑を認めることには合理的な理由がある。このように相当の理由に基づいて設けられた刑罰規定は、個人の尊重を侵害するものとはいえない。
結論
傷害と死の結果に対し同一の法定刑を定める刑法181条は、相当の理由に基づく規定であり、憲法13条に違反しない。
実務上の射程
立法府に広範な立法裁量が認められる刑罰の均衡の問題について、判例が「相当の理由」の有無により合憲性を判断する枠組みを示した事例である。憲法13条や14条、31条が絡む刑罰規定の違憲審査において、個別の犯罪類型の性質に応じた柔軟な法定刑設定を肯定する際の有力な論拠となる。
事件番号: 昭和28(あ)1367 / 裁判年月日: 昭和28年7月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の自白のみに基づいて事実を認定することは憲法及び刑事訴訟法に反するが、第一審判決が自白以外の証拠も併せて事実を認定している場合には、自白のみによる認定とはいえず適法である。 第1 事案の概要:被告人が刑事裁判において有罪判決を受けた際、その事実認定が被告人の自白のみによってなされたとして、憲…