外国人登録法(昭和二七年法律第一二五号)は憲法第一四条に違反しない。
外国人登録法と憲法第一四条。
外国人登録法,憲法14条
判旨
外国人登録法が在留外国人の公正な管理を目的として管理上の手続や刑罰を定めることは、憲法14条の法の下の平等に反せず、また同法に定める刑罰が不必要な精神的肉体的苦痛を内容とする人道上残酷なものといえない限り、憲法36条の残虐な刑罰にも当たらない。
問題の所在(論点)
1.在留外国人の管理を目的とする外国人登録法の規制が、憲法14条の法の下の平等に違反するか。2.外国人登録法違反に対して科される刑罰が、戸籍法違反等の他の行政上の義務違反の制裁と比較して著しく重い場合、憲法36条の「残虐な刑罰」に該当するか。
規範
1.憲法14条違反の判断について:在留外国人の居住・身分関係を明確にし、公正な管理に資するという正当な目的の下、人種や社会的身分を問わず一律に必要な手続を課すことは合理的理由のない差別とはいえない。2.憲法36条違反の判断について:残虐な刑罰とは、不必要な精神的肉体的苦痛を内容とする人道上残酷と認められる刑を意味する。また、刑罰の程度や種類の決定は原則として立法政策の問題である。
重要事実
上告人(被告人)は、外国人登録法3条1項に基づく登録義務に違反した。これに対し、同法18条1項1号が定める刑罰を科されたが、被告人側は、同法が憲法14条(平等権)に違反し、かつ、戸籍法違反の制裁と比較して著しく重い同法の刑罰は憲法36条(残虐な刑罰の禁止)に違反するとして争った。
あてはめ
1.憲法14条について:外国人登録法は、全ての在留外国人に対し管理上必要な手続を定めたものであり、諸外国でも同様の規制は存在する。これは人種や社会的身分による差別を目的としたものではなく、公正な管理という合理的理由に基づく。2.憲法36条について:同法18条1項1号に定められた刑罰は、人道上残酷と認められる不必要な苦痛を伴うものではない。戸籍法違反の制裁との均衡が欠けているとの主張があっても、刑罰の種類・範囲の選択は立法機関に委ねられた立法政策の問題であり、直ちに憲法違反の問題は生じない。
結論
外国人登録法及び同法に定める刑罰は、憲法14条及び36条のいずれにも違反しない。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
法の下の平等に関する初期の重要判決。外国人の在留管理という目的の正当性と、管理手続の必要性を認める文脈で引用される。また、憲法36条における「残虐な刑罰」の定義を、物理的・精神的な「人道上の残酷さ」に限定し、刑罰の均衡失当を直ちに憲法違反としない立法裁量を肯定した点に特徴がある。
事件番号: 昭和44(あ)2162 / 裁判年月日: 昭和46年3月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】外国人登録法は在留外国人の居住・身分関係を明確にするという公正な管理目的のために全外国人に等しく適用されるものであり、登録上の国籍表示の有無にかかわらず居住地変更登録義務等の適用に影響はない。したがって、同法の適用が憲法14条に反することはない。 第1 事案の概要:被告人は外国人登録法違反(居住地…