裁判所法第三三条第二項の規定が、窃盗罪等につき例外的に簡易裁判所に管轄を認めていても、憲法第一四条第一項に違反するものではない。
裁判所法第三三条第二項の規定が、窃盗罪等につき簡易裁判所に管轄を認めたことと憲法第一四条第一項。
裁判所法33条,憲法14条1項
判旨
累犯加重を規定する刑法56条、57条は憲法14条に違反せず、簡易裁判所の管轄を定める裁判所法33条も立法政策の問題であって憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
刑法56条および57条による累犯加重が憲法14条の平等原則に反しないか。また、裁判所法33条による簡易裁判所の管轄規定が憲法に反しないか。
規範
累犯加重規定(刑法56条、57条)は、前科を有しながら重ねて罪を犯した者の責任の重さを評価するものであり、憲法14条の法の下の平等に反しない。また、下級裁判所の管轄の定め(裁判所法33条等)は、諸般の事情を勘案して決定されるべき立法政策の問題であり、憲法適合性の問題ではない。
重要事実
被告人は前科があるにもかかわらず再度犯罪に及んだ者であり、累犯として刑の加重を受けた。弁護人は、累犯加重規定が憲法14条に違反すること、および簡易裁判所の管轄を定めた規定が憲法に違反することを理由として上告した。
あてはめ
累犯加重については、先行する判例の趣旨に照らし、憲法14条に違反するものではない。裁判所の管轄については、司法制度の適正な運用を確保するために立法府に広範な裁量が認められる立法政策上の事項であり、憲法違反の問題を生じさせるものではないと判断される。
結論
刑法56条、57条および裁判所法33条はいずれも憲法に違反しない。したがって、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
累犯規定の合憲性を前提とした刑事実務を裏付ける判例である。裁判所の管轄に関する争点については、立法府の広範な裁量を認める「立法政策」の法理を示す典型例として利用できる。
事件番号: 昭和52(あ)1323 / 裁判年月日: 昭和52年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】累犯加重を定める刑法56条1項、57条の規定は、法の下の平等を定める憲法14条1項および二重処罰を禁止する憲法39条後段に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、以前に懲役刑に処せられた前科があったが、その執行終了の日から5年以内にさらに罪を犯した。裁判所はこれを刑法56条1項の累犯に当たると判…