外国人登録法第一八条第一項第二号にいわゆる第三条第一項の規定による申請に関し虚偽の申請をした者には、登録義務者たる外国人のため虚偽の申請行為をした者およびこれに共謀した者(外国人たると否とを問わず)を含むと解すべきである。
外国人登録法第一八条第一項第二号にいわゆる第三条第一項の規定による申請に関し虚偽の申請をした者とは登録義務者たる外国人に限るか。
外国人登録法3条1項,外国人登録法18条1項2号(昭和31年5月7日法律96号による改正前、改正後のもの)
判旨
有印公文書偽造等の罪において、被告人の自白を補強するための証拠は、自白と相まって犯罪事実を認定できるものであれば足り、偽造された文書自体も補強証拠となり得る。
問題の所在(論点)
被告人の自白のみで有罪とされないとする補強法則(憲法38条3項、刑訴法319条2項)に関し、偽造された文書自体が補強証拠として認められるか。また、自白の真実性を担保するに足りる補強証拠が存するか。
規範
刑事訴訟法319条2項にいう補強証拠は、自白に係る犯罪事実の全部を裏付ける必要はなく、自白と相まって罪体(犯罪の客観的事実)を認定できる程度に、自白の真実性を担保するものであれば足りる。また、偽造罪等においては、偽造された物件そのものが補強証拠としての適格性を有する。
重要事実
被告人が有印公文書偽造の罪(本件不起訴処分結果通知書の偽造)に問われた事案において、第一審判決は被告人の自白に加え、偽造された本件不起訴処分結果通知書等を証拠として挙げ、有罪を認定した。被告人側は、これらの証拠は補強証拠としての価値を欠き、補強証拠なしに自白のみで有罪とされたものであるとして、憲法違反および判例違反を理由に上告した。
あてはめ
原審が是認した第一審判決によれば、偽造にかかる本件不起訴処分結果通知書が証拠として掲げられている。この偽造文書そのものは、自白内容である偽造行為の客観的な結末を示すものであり、自白の真実性を裏付ける価値を有している。したがって、自白と当該偽造文書を総合すれば犯罪事実を認定することが可能であり、補強証拠において欠くるところはないと解される。
結論
偽造された不起訴処分結果通知書は補強証拠としての価値を有し、補強法則に違反しない。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
偽造罪や贈収賄罪などの非供述証拠が重要となる事案において、偽造物や盗品、賄賂などの「罪体の一部をなす物件」が補強証拠となり得ることを示す。実務上は、自白の真実性を支えるに足りる客観的状況を構成する証拠として、偽造された文書自体を提示することで補強法則を充足させる構成をとる。
事件番号: 昭和29(あ)1093 / 裁判年月日: 昭和31年3月6日 / 結論: 棄却
外国人登録証明書に貼付してある写真を恣に剥ぎとり、他人の写真を貼り代えた場合には、公文書偽造罪が成立する。
事件番号: 昭和27(あ)1122 / 裁判年月日: 昭和28年10月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】故意などの犯罪の主観的要件については、憲法38条3項及び刑事訴訟法319条1項の定める補強証拠を必要としない。 第1 事案の概要:被告人が特定の犯罪事実について自白したが、その故意などの主観的要件を裏付ける証拠が自白以外に存在しなかった。弁護人は、主観的要件についても補強証拠が必要であるとして、自…
事件番号: 昭和31(あ)4224 / 裁判年月日: 昭和35年4月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】税関係員がその職務に関し作成する輸出証明書は、関税法や物品税法等の諸規定に基づき作成されるものである以上、刑法上の「公文書」に該当する。また、実際には輸出の確認がなされていないにもかかわらず輸出の事実を確認する内容の証明書を作成した場合は、虚偽公文書作成罪が成立する。 第1 事案の概要:被告人Bは…
事件番号: 昭和23(れ)619 / 裁判年月日: 昭和23年10月16日 / 結論: 棄却
原判決の事實摘示と、これが採證の用に供した各始末書、申述書の記載との間に、被告人が僞造轉出證明書に使用した架空人物の氏名不一致の點がありとしても、作成名儀人その他本件僞造文書の重大な要素についての記載内容において、兩者が一致する以上、右判示を違法とすることはできない。