一 市町村長のなす米穀の生産者別政府買入数量を決定し、またはその決定数量の変更をするについて、法令にもとずき市町村農業委員会の委員たる者の意見を聞く場合に、その意見を答申することは、市町村農業委員会の委員の職務権限に属する。 二 公務員の職務権限に属する事項はあまねく法令によりその職務権限に属させた事項を包含するものと解すべきであるから、農業委員会法第六条(昭和二九年六月一五日法律第一八五号による改正前のもの)に右事項が列記されていないからといつて、前記政令(註、昭二六・九、二九政令三一五号、昭二七・九・九政令四〇九号、昭二八・九・一政令二六七号)に規正せられた委員の職務権限を否定することはできない。
市町村農業委員会の委員の職務権限。
農業委員会法6条(昭和29年6月15日法律185号による改正前のもの),刑法197条,食糧管理法3条1項,昭和26年9月29日政令315号(政府に売渡すべき昭和26年産米穀に関する政令)3条1項,昭和26年9月29日政令315号(政府に売渡すべき昭和26年産米穀に関する政令)7条1項,昭和27年9月9日政令409号(政府に売渡すべき昭和26年産米穀に関する政令の一部改正),昭和28年9月1日政令267号(政府に売渡すべき米穀に関する政令)3条1項,昭和28年9月1日政令267号(政府に売渡すべき米穀に関する政令)7条1項
判旨
公務員が賄賂を授受した際、その行為が当該公務員の一般的職務権限に属するものであれば、職務権限に関する原判決の判断は正当である。
問題の所在(論点)
収賄罪(刑法197条等)の成立要件である「職務」の範囲、すなわち公務員の一般的職務権限の有無をいかに判断すべきか。
規範
刑法197条等の収賄罪における「職務」とは、公務員の一般的職務権限に属する事務を指す。必ずしも当該公務員に具体的な事務執行権限が割り当てられている必要はなく、その職種に基づき一般的に担当すべき範囲内のものであれば足りる。
重要事実
被告人が公務員として賄賂を授受した際、その行為が自身の職務権限に含まれるかどうかが争点となった。原審(第2審)は、被告人の職務内容を照らし合わせ、当該行為が職務権限に属すると判断した。これに対し弁護側は、職務権限の判断に誤り(法令違反)があるとして上告した。
あてはめ
最高裁は、原判決における被告人の職務権限に関する判断を正当であると認めた。記録を精査しても、職務権限の認定において法令違反や著しい不当(刑訴法411条適用事由)は認められず、被告人がその地位に基づき行使しうる職務の範囲内であったといえる。
結論
被告人の行為は職務権限に属するものと認められ、収賄罪の成立を肯定した原判決の判断は正当であるため、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、収賄罪における「職務」概念が抽象的な一般的職務権限を指すことを確認したものである。答案上では、個別の事務分配規程に限定せず、公務員の地位や職種から客観的に判断される権限の有無を検討する際の根拠として機能する。
事件番号: 昭和24(れ)1952 / 裁判年月日: 昭和24年12月3日 / 結論: 棄却
一 かりに被告人が事實上便宜の取計をしなかつたとしても、便宜の取計をすると否にかかわず、職務に關し金員の贈與を受けたとすれば收賄罪を構成するものである。原判決が「Aから貨車の割當について便宜の取計をしてくれた報酬として供與されるものであることを知りながら」と判示したのは、被告人に現實に便宜の取計をする意思があつかとか又…