本邦人以外の居住者が、自己が外国において有する外国銀行預金にもとづいて、本邦内で小切手を振出した場合も、外国為替等集中規則第三条第一項にいう対外支払手段の「取得」にあたる。
本邦人以外の居住者が、自己が外国において有する外国銀行預金にもとづいて本邦内で小切手を振出した場合と外国為替等集中規則第三条第一項にいう対外支払手段の「取得」。
外国為替及び外国貿易管理法21条,外国為替及び外国貿易管理法22条,外国為替及び外国貿易管理法25条,外国為替管理令3条,外国為替等集中規則3条,外国為替等集中規則4条
判旨
被告人の自白がある事柄については、他に証拠とすべき資料がない場合であっても、裁判所が審理または証拠が不十分であると判断する必要はない。
問題の所在(論点)
小切手を決済すべき資金の存在や充足可能性といった事実について、被告人の自白以外に証拠がない場合に、審理不尽または証拠不十分の違法が生じるか(補強証拠の要否)。
規範
憲法38条3項及び刑訴法319条1項の規定にかかわらず、犯罪事実の細部や周辺的事実について被告人の自白がある場合には、当該事項に関して補強証拠を欠いていたとしても、直ちに証拠不十分とはならない。
重要事実
被告人が小切手に関連する犯罪で起訴された事案において、第一審・控訴審ともに有罪判決を受けた。被告人側は、小切手を決済すべき資金の存在やその充足の可能性といった点について、自白以外に証拠がないにもかかわらず有罪とされたことは審理不尽・証拠不十分であるとして上告した。
事件番号: 昭和31(あ)4601 / 裁判年月日: 昭和32年10月11日 / 結論: 棄却
一 外国にある弗預金を取得した代償として本邦の居住者に対して基準外国為替相場を超える支払をした場合は、外国為替及び外国貿易管理法第二八条と同法第七条第六項違反の罪が成立し、両者は観念的競合になる。 二 国外に去ることが明らかな参考人の検察官面前調書であつても証拠能力を失うものではない。
あてはめ
本件において、小切手の決済資金の有無やその充足可能性といった点については、上告人自身の自白が存在している。このような事実は、犯罪の核心的部分というよりは客観的な状況に関するものであり、自白がある以上、他に証拠資料が存しなくても審理や証拠が不十分であるとはいえない。
結論
小切手の決済資金に関する事実に自白がある以上、他に証拠がなくても証拠不十分の違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
補強証拠の要否に関する判断であり、自白の証明力を補完する範囲がどこまで必要かという文脈で、周辺的事情については自白のみで認定可能であることを示す際に引用できる。
事件番号: 昭和37(あ)1868 / 裁判年月日: 昭和39年11月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律の委任に基づき政令で罰則(犯罪構成要件および刑)を設けることは憲法73条6号但書により許容される。また、不当に長い拘禁後の自白(憲法38条2項)に該当するかは、身柄拘束の経緯、事案の複雑性、自白の時期等を総合して判断すべきである。 第1 事案の概要:被告人は外国為替及び外国貿易管理法違反の罪に…
事件番号: 昭和37(あ)1250 / 裁判年月日: 昭和40年9月21日 / 結論: 棄却
一 本件犯罪のように併合罪関係にある数罪は、立証手続のうえにおいても別個独立の犯罪として取り扱われるべきもので、この数毎に補強証拠を必要とし、しかも、その補強証拠たるや、その犯罪の各構成要件事実それ自体に関連するものであることを要するものと解するのが相当であり、所論原判示のように、適法な証拠により認め得られるものである…
事件番号: 昭和30(あ)73 / 裁判年月日: 昭和32年4月5日 / 結論: 棄却
軍票の収受者又は所持者がその収受し若しくは所持する軍票を正当の理由なく他に譲り渡すなど、同条項により命ぜられた日本銀行への寄託と全く相容れない処分行為をするにおいては、その者に対しては、もはや右に命ぜられた寄託行為の如きは到底望むべくもなく、その義務違反は明らかなところであるというべきであるから、この時において、同条項…
事件番号: 昭和28(あ)139 / 裁判年月日: 昭和28年7月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法38条3項が自白に補強証拠を要求する趣旨は、客観的事実の実在を担保することにあるため、主観的要素である知情(故意)の点については、特段の補強証拠を要しない。 第1 事案の概要:被告人は犯罪事実について自白していたが、弁護人は、被告人の主観的な知情(故意)の点について自白を補強する証拠が欠けてい…