本邦入国者が、入国に際し、別送して輸入しようとする自動車は、それが入国者の出発地または経由地において積み出されたものでないかぎり、輸入貿易管理令(昭和三一年一一月一四日政令第三四二号による改正前のもの)第一四条第二号別表第二にいわゆる「携帯品」と認めることはできない。
本邦入国者が入国に際し別送して輸入しようとする自動車と輸入貿易管理令(昭和三一・一一・一四政令第三四二号による改正前のもの)第一四条第二号別表第二にいわゆる「携帯品」。
輸入貿易管理令8条,輸入貿易管理令14条2号,輸入貿易管理令別表2
判旨
輸入貿易管理令上の「携帯品」とは、原則として入国者がその一身に付随して携行する物品を指す。自動車を別送する場合にこれを携帯品と認めるには、当該自動車が入国者の出発地又は経由地において船積されていなければならない。
問題の所在(論点)
輸入貿易管理令14条2号別表第二に規定される「携帯品」の意義、および自動車を別送する場合に同規定の「携帯品」として認められるための要件が問題となった。
規範
輸入貿易管理令14条2号別表第二にいう「携帯品」とは、入国者がその一身に付随して携行する物品であることを原則とする。もっとも、同別表備考1に例示される自動車等を別送する場合にまで「携帯品」と認めるためには、当該物品が入国者の「出発地又は経由地において船積」されたものであることを要する。
重要事実
被告人が輸入した本件自動車が、輸入貿易管理令に定める「携帯品」に該当するか否かが争われた。弁護人は、本件自動車が同令の「携帯品」に当たると主張したが、原審はこれを否定したため、事実誤認および法令違反を理由に上告した。なお、具体的な船積地等の事実は判決文からは不明である。
事件番号: 昭和39(あ)1295 / 裁判年月日: 昭和40年11月26日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法二七条第一項第三号違反の罪と同法第四八条第一項に基づく命令に違反する罪とは、牽連犯ではない。
あてはめ
本件における自動車が「携帯品」に該当するためには、入国者である被告人の出発地または経由地において船積されたことが必要である。原判決がこの基準に基づき、本件自動車を「携帯品」に当たらないと判示したことは、同令の解釈として正当であると認められる。したがって、本件自動車は「携帯品」としての輸入手続の特例を享受し得ない。
結論
本件自動車は輸入貿易管理令上の「携帯品」には該当しない。原判決に法令違反の誤りはないため、上告は棄却される。
実務上の射程
行政法規における用語の解釈として、文言の原則的意義(一身への付随性)を確認しつつ、別送品等の例外規定の適用範囲を限定的に解釈する際の手法として参考になる。特に「携帯」という概念を、物理的な同時携帯だけでなく、移動経路との密接な関連性(出発地・経由地での船積)により画定している点が重要である。
事件番号: 昭和37(あ)906 / 裁判年月日: 昭和38年12月4日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法第二七条第二項第一号は、非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通貨で支払う場合を規定したものと解すべきである(昭和三六年(あ)第二五四三号同三七年一二月一八日第三小法廷決定、刑集一六巻一二号一七〇六頁参照)。
事件番号: 昭和33(あ)434 / 裁判年月日: 昭和33年9月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】輸出貿易管理令の複数の号に該当する承認違反行為において、その一部の根拠規定が法改正等により適用を誤ったとしても、他の号に該当する無承認輸出の事実が認められる限り、罰則の適用は正当であり、判決の破棄を要しない。 第1 事案の概要:被告人は、絹及び人絹交織シホン・ベルベツチン、ならびにマニラ・ロープを…
事件番号: 昭和36(あ)2543 / 裁判年月日: 昭和37年12月18日 / 結論: 棄却
外国為替及び外国貿易管理法第二七第二項第一号は、非居住者が同号記載の費用を支弁するため本邦通過で支払う場合を規定したものと解すべきである。
事件番号: 昭和33(あ)1620 / 裁判年月日: 昭和34年8月28日 / 結論: 棄却
本邦人以外の居住者が、自己が外国において有する外国銀行預金にもとづいて、本邦内で小切手を振出した場合も、外国為替等集中規則第三条第一項にいう対外支払手段の「取得」にあたる。