上告棄却決定の謄本が、本人と弁護人との双方に日を異にし本人に先に送達された場合における異議申立の期間は、本人に送達された日から起算すべきである。
上告棄却決定謄本が本人と弁護人との双方に日を異にして送達された場合と異議申立期間の起算日
刑訴法414条,刑訴法386条2項,刑訴法55条1項,刑訴規則34条
判旨
最高裁判所がした決定に対して特別抗告を申し立てることは許されない。また、上告棄却決定に対する異議申立期間は、被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、被告人本人に対して送達された時から進行する。
問題の所在(論点)
1. 最高裁判所が下した決定に対して、特別抗告を申し立てることは認められるか。2. 被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、異議申立期間はどちらの送達時を基準に進行を開始するか。
規範
1. 最高裁判所がした決定に対する特別抗告の可否について、刑事訴訟法上これを認める規定はなく、不適法な申立てとして棄却される。2. 裁判の送達に伴う期間の起算点について、被告人と弁護人の双方に送達がなされた場合、期間の進行は本人である被告人に対する送達時を基準とする。
重要事実
本件において、上告棄却決定の謄本が被告人と弁護人の双方に送達された。送達日時は被告人が昭和32年4月9日、弁護人が同月11日であった。弁護人は本件決定に対し、最高裁判所がした決定であることを前提として特別抗告を申し立てた。また、これに付随して異議申立期間の起算点が争点となった。
事件番号: 昭和27(し)90 / 裁判年月日: 昭和28年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】送達報告書により控訴趣意書提出最終日の通知書が適法に送達された事実が認められる場合、通知を受けていないことを前提とする憲法32条違反の主張は採用されない。 第1 事案の概要:申立人は、麻薬取締法違反等被告事件において、控訴趣意書の提出最終日の通知書を受け取っていないと主張し、裁判を受ける権利(憲法…
あてはめ
1. 最高裁判所の決定は終局的な判断であり、これに対する不服申立てとしての特別抗告を認める明文の規定は存在しないため、申立ては不適法である。2. 送達の効力について、被告人本人は訴訟の主体であり、弁護人への送達は補助的な意味を有するに過ぎない。本件では、被告人に対し4月9日に、弁護人に対し11日に送達されているが、期間の進行は先行する被告人本人への送達時(4月9日)から開始されると解される。したがって、これを基準に期間を計算すべきである。
結論
本件特別抗告の申立ては不適法であり、棄却する。異議申立期間は被告人本人に送達された時から進行を開始する。
実務上の射程
最高裁の決定に対する不服申立手段の不存在を確認する際の根拠となる。また、刑事訴訟における期間計算(異議申立て等)において、被告人と弁護人の双方に送達があった場合は「本人への送達時」を基準とする実務上の準則を示すものである。
事件番号: 昭和28(す)170 / 裁判年月日: 昭和28年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告を棄却した決定に対しては、異議の申立てをすることはできない。本判決は過去の大法廷決定を維持し、当該申立てを不適法として棄却した。 第1 事案の概要:被告人Aが提起した上告に対し、最高裁判所はその上告趣意が刑事訴訟法405条各号の事由に該当しな…
事件番号: 昭和27(し)21 / 裁判年月日: 昭和28年7月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴棄却決定に対する異議申立期間を徒過した場合であっても、自己等の責に帰すべからざる事由があるときは、上訴権回復の規定を準用して異議権の回復を請求できるが、その請求なしに単になされた異議申立は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は麻薬取締法違反で有罪判決を受け控訴したが、指定された期間内に控訴…
事件番号: 昭和32(す)113 / 裁判年月日: 昭和32年3月5日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対する異議申立が、単に被告人の住居の記載の訂正を求めるもので、裁判の内容に誤があることを理由とするものでないときは、その申立は不適法である。
事件番号: 昭和31(し)49 / 裁判年月日: 昭和32年6月12日 / 結論: 棄却
拘置所長あてに送達された起訴状の謄本が、誤つて同姓同名の他の在監者に交付され、被告人がその交付を受けなかつた場合には、起訴状の謄本の送達がなかつた場合と同様に、公訴の提起はさかのぼつてその効力を失う。