私設保税倉庫に蔵置中の外国商品を占領軍要員以外の者に販売する目的で庫出するときは、関税逋脱罪を構成する。
私設保税倉庫に蔵置中の外国商品を占領軍要員以外の者に販売する目的で庫出する場合と関税逋脱罪の成立。
関税法(昭和29年法律61号)附則13項,旧関税法(明治32年法律61号)75条1項,旧関税法(明治32年法律61号)31条,旧保税倉庫法(明治30年法律15号)6条
判旨
私設保税倉庫に蔵置中の外国商品であっても、占領軍要員以外の者に販売する目的で庫出しする場合には、旧保税倉庫法および旧関税法の通関規定が適用され、関税の課税対象となる。
問題の所在(論点)
私設保税倉庫から外国商品を占領軍要員以外の者へ販売目的で庫出しする場合に、関税法の通関規定が適用され、関税逋脱罪が成立するか。
規範
保税倉庫に蔵置された外国商品について、特定の免税対象者(占領軍要員等)以外への販売を目的として庫出しを行う場合には、旧保税倉庫法6条に基づき旧関税法の通関に関する規定が適用される。したがって、当該商品は絶対的に非課税となるものではなく、適正な通関手続および関税の支払を要する。
重要事実
被告人らは、本件私設保税倉庫に蔵置されていた外国商品を、占領軍要員以外の者に販売する目的で庫出しした。この際、関税支払の手続を経ずに関税を免れたとして、関税逋脱罪に問われた。原判決は関税支払の手続が定められていないと判示しつつも罪の成立を認めたため、被告人側が上告した。
あてはめ
本件外国商品は私設保税倉庫に蔵置されていたが、これを占領軍要員以外の者に販売する目的で庫出しする以上、旧保税倉庫法6条により、旧関税法の通関規定の適用を受ける。原判決が「手続が定められていない」とした点は誤りであるが、課税対象となり得る商品を正当な手続なく庫出しした以上、関税逋脱罪の成立を認めた結論は妥当である。
結論
本件庫出しには旧関税法の通関規定が適用されるため、関税逋脱罪が成立する。上告棄却。
実務上の射程
保税地域からの貨物の引出しが「輸入」とみなされ課税要件を満たす際の、通関手続の必要性と処罰根拠を画定する際のリファレンスとなる。特別の免税措置がある場合でも、その目的外転売時には一般の関税法規が連結されることを示す。
事件番号: 昭和30(あ)341 / 裁判年月日: 昭和33年3月14日 / 結論: 破棄自判
【結論(判旨の要点)】支払手段や貨物の「輸入」の既遂時期は、税関の関門を通過して外部に持ち出すことによって完了する。したがって、空港の旅具検査所等で税関吏員に発見され、いまだ税関の実力的支配下にある状態では、既遂罪は成立しない。 第1 事案の概要:被告人は、釜山から米国軍票を携帯して羽田空港に到着した。外貨申告手続にお…
事件番号: 昭和38(あ)783 / 裁判年月日: 昭和39年7月20日 / 結論: 棄却
輸入貨物について、当初より関税及び物品税を免れる目的をもつて虚偽の申告をして免税輸入の許可を受け、関税及び物品税を免れる罪は当該輸入貨物を保税地域より引取つたときに成立し、その後において用途外使用の申請をして関税及び物品税を納付しても一たん成立した罪が消滅することはない。
事件番号: 昭和36(あ)2714 / 裁判年月日: 昭和38年3月19日 / 結論: 棄却
一 合衆国軍隊の構成員等以外の者が、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法等の臨時特例に関する法律」第六条の規定の適用を受けた物品である自動車を日本国内において譲り受けようとするときは(同法第一二条第一項の適用を受ける譲受)、昭和三三年法律第六八号による改正前においても、旧物…