被害者の親権者が二人あるときは、その各自が刑訴第二三一条第一項の被害者の法定代理人として、告訴をすることができる。
被害者の法定代理人たる親権者が二人ある場合の法定代理人の告訴。
刑訴法231条1項,刑訴法28条
判旨
被害者に二人以上の親権者が存在する場合、刑訴法231条1項にいう「被害者の法定代理人」として、各親権者がそれぞれ独立して告訴権を行使することができる。
問題の所在(論点)
被害者に複数の親権者が存在する場合、各親権者が単独で告訴を行うことができるか。刑訴法231条1項の「法定代理人」の解釈が問題となる。
規範
刑事訴訟法231条1項に規定される「被害者の法定代理人」とは、民法上の親権者等を指すが、親権者が二人あるときは、その各自が独立した告訴権を有するものと解する(刑事訴訟法28条参照)。
重要事実
被害者の法定代理人である親権者が二人存在する場合において、その一方がなした告訴の有効性が争点となった。被告人は告訴の適法性を争い、量刑不当や憲法32条違反等を主張して上告した。
あてはめ
刑事訴訟法231条1項は、被害者が告訴できない場合等の補充を目的として法定代理人に固有の告訴権を認めている。本件において親権者が二人いる場合、民法上の共同親権の原則にかかわらず、刑事手続の確実性と被害者保護の観点から、各親権者は各自が独立して法定代理人としての告訴権を行使できると解される。したがって、本件における親権者の一方による告訴は適法である。
結論
被害者の親権者が二人あるときは、その各自が刑事訴訟法231条1項所定の告訴をすることができる。
実務上の射程
親権者が複数いる場合の告訴権の行使について判示した簡潔な判例である。親権行使の「共同」原則(民法818条3項)が刑事告訴においても適用されるかという文脈で、各親権者の独立した権限を認める根拠として利用できる。
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【結論(判旨の要点)】親告罪において、被害者が未成年者である場合、その法定代理人は独立して告訴権を行使することができる(刑事訴訟法231条1項)。本件では被害者の父による告訴が有効であり、訴訟条件を欠くものではない。 第1 事案の概要:被告人が親告罪に該当する罪を犯したとされる事案において、昭和27年2月20日、被害者…