上告を棄却した確定決定に対しても再審の請求をなし得る。
上告棄却決定に対する再審請求の適否
刑訴法436条1項
判旨
上告を棄却した確定決定は、判決と同様に原審判決を確定させる終局的裁判であるため、刑事訴訟法436条1項各号所定の再審事由がある場合には、再審請求の対象となる。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法436条1項において再審の対象が「確定判決」と限定されている中、上告を棄却した「確定決定」に対しても再審の請求をすることができるか。
規範
上告棄却の確定決定は、上告棄却の判決と同様に、原審判決を確定させる効力を有する当該事件に対する終局的裁判である。したがって、かかる決定についても、刑事訴訟法436条1項各号所定の再審事由が存在するときは、同条項を類推適用し、再審の請求をなし得るものと解するのが相当である。
重要事実
請求人は、強盗殺人及び窃盗被告事件について上告を提起したが、最高裁判所は上告を棄却する決定を下し、当該決定は確定した。請求人は、この上告棄却の確定決定に対し、事実誤認があるとして再審を請求した。刑事訴訟法上、再審の対象は「確定判決」と規定されており、確定した「決定」に対する再審の可否が問題となった。
事件番号: 昭和28(き)7 / 裁判年月日: 昭和28年8月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告が不適法または明らかに上告理由に当たらないとしてなされた上告棄却の決定に対し、刑事訴訟法436条に基づく再審請求は許されない。再審は確定した「判決」に対する実体的な不服申し立て制度であり、証拠に基づかない手続的決定は再審の対象に含まれないと解される。 第1 事案の概要:再審請求人(被告人)は、…
あてはめ
刑事訴訟法は上告を棄却した確定判決に対する再審を許容している。本件の原裁判は決定の形式をとっているが、上告棄却判決と同様に原審判決を確定させる効力を持ち、事件を終局させるものである。このような実質的性質に鑑みれば、判決と同様に再審事由(436条1項各号)がある場合には救済を認めるべきである。もっとも、本件の請求趣意は事実審の事実誤認を主張するにとどまり、最高裁判所に対する再審事由には当たらない。
結論
上告棄却の確定決定に対しても再審請求は可能であるが、本件請求は法定の再審事由に当たらないため、棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟法上、再審対象は判決に限られているように読めるが、本判例は終局的裁判としての実質を重視し、上告棄却決定への射程を認めた。司法試験においては、再審の対象を論ずる際、法文にない「決定」であっても終局的裁判であれば対象となり得る旨の根拠として利用できる。
事件番号: 昭和29(き)7 / 裁判年月日: 昭和29年6月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法436条1項は「確定判決」に対する再審請求を認めているが、上告理由に当たらないことを理由とする上告棄却の「決定」に対して再審を請求することは、規定の欠如により許されない。 第1 事案の概要:本件において、請求人は確定した裁判に対して再審を請求した。しかし、当該裁判は、上告趣意書に記載され…
事件番号: 昭和28(き)18 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審の請求は、当該確定判決自体に刑事訴訟法436条1項所定の事由があるときにのみ許される。 第1 事案の概要:本件は、上告を棄却した最高裁判所の確定判決に対し、再審の請求がなされた事案である。請求人は再審の請求趣意書を提出したが、最高裁判所はその内容が刑訴法436条1項所…
事件番号: 昭和29(き)11 / 裁判年月日: 昭和29年9月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告を棄却した確定判決に対する再審請求は、当該確定判決自体に刑事訴訟法436条1項所定の事由があるときにのみ許される。 第1 事案の概要:本件は、上告を棄却した最高裁判所の確定判決に対し、再審請求がなされた事案である。請求人は別紙(判決文上省略)に記載された事由をもって再審を求めたが、その事由が法…
事件番号: 昭和28(き)13 / 裁判年月日: 昭和28年9月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、上告を棄却した確定判決に対する再審は認められるが、確定決定に対する再審は規定がなく許容されない。 第1 事案の概要:本件は、最高裁判所においてなされた確定決定に対し、申立人が再審を請求した事案である。申立人は末尾添付の再審申立書に基づき、何らかの事由により再審を求めたが、その対象は判…