「Coca Cola」なる文字で示した商標と「Cola Cola」なる文字の部分を要部とし、これと図形、記号との結合、着色による商標とは、称呼上および外観上類似し、両商標は商標法第三四条にいう「類似ノ商標」というべきである。
商標法第三四条にいう「類似ノ商標」と認められる一事例
商標法34条
判旨
商標の類似性とは、外観、称呼、又は観念から需要者に与える印象を総合し、取引上一般人が混同誤認を生じやすい程度に相似することをいう。称呼や外観が極めて類似し、自然に特定の称呼が導き出される場合には、要部の抽出につき特段の理由を示す必要はない。
問題の所在(論点)
1. 商標法上の「類似」の判断基準は如何なるものか。 2. 登録商標と使用標章の称呼・外観が酷似する場合、類似判断において要部の抽出理由を具体的に説示する必要があるか。
規範
商標の類似とは、二個の商標が取引上一般人の眼から見て混同誤認を生じやすい程度に相似することをいう。この判断は、商標の外観(色彩を含む)、称呼、又は観念の上から商品需要者に与える印象等を総合して決すべきである。
重要事実
米国企業が「Coca Cola(コカコーラ)」という文字商標を清涼飲料水について登録していたところ、被告人がこれに類似する「Kola Kola(コラコーラ)」という標章を付した飲料を製造・販売した。被告人は、両商標が似ていることを意識しながら使用を継続していた。被告人側は、原判決が商標の「要部」の抽出理由を説明していない点や、犯意の欠如を主張して上告した。
あてはめ
本件の登録商標「Coca Cola」は称呼が「コカコーラ」であり、被告人の使用標章「Kola Kola」からは自然に「コラコーラ」という称呼が導かれる。これらは称呼上相紛わしく類似し、字態についても外観上酷似している。このように称呼・外観から直ちに混同誤認が生じやすいと認められる事案では、あえて要部を抽出する等の特別の理由を説示せずとも、類似商標にあたると判断するのが相当である。また、被告人は両商標の類似性を意識していたことから、過失ではなく故意(犯意)が認められる。
結論
本件の両商標は称呼・外観において酷似し、需要者に混同誤認を生じさせる類似商標にあたる。したがって、被告人の行為は商標権を侵害するものであり、犯意も認められるため有罪とした原判決は妥当である。
実務上の射程
商標の類似判断における「外観・称呼・観念」の三要素を総合考慮する基本枠組みを示したものである。特に、称呼や外観が支配的であり、自然に特定の印象が導かれる場合には、詳細な要部認定の手順を省略しても違法ではないという実務上の判断手法を容認している。
事件番号: 昭和28(あ)4883 / 裁判年月日: 昭和30年10月18日 / 結論: 棄却
被告人が単一の犯罪意思にもるものではなく、別個の犯罪意思にもとずき、犯罪の期間および場所を異にし別の共犯者とともに同一の犯罪構成要件に該当する数個の行為をしたときは、被害法益が同一であるからといつて一個の犯罪が成立するものとはいえない。
事件番号: 昭和39(オ)1013 / 裁判年月日: 昭和40年3月18日 / 結論: 棄却
一 「A」と「AB」の両商号は、その文字呼称において「A」が共通であり、後者はこれに「B」の文字を加えたものにすぎないから、右の両商号は類似商号に該当する。 二 「A」と「AB」とは、原審認定の事実関係のもとで、類似商号ということができる。
事件番号: 昭和32(あ)2524 / 裁判年月日: 昭和35年7月6日 / 結論: 棄却
軽自動二輪車は自転車と旧商標法第三四条第一号にいう「類似ノ商品」にあたる。
事件番号: 昭和60(行ツ)68 / 裁判年月日: 昭和61年1月23日
【結論(判旨の要点)】商標法4条1項11号の類否判断において、指定商品が普通に用いられる交換、販売、または消費の過程で、指定商品が互いに混同されるおそれがあるか否かによって決すべきである。 第1 事案の概要:本件において、登録商標「コーヒー、コーヒー飲料等」を対象とする商標と、引用商標との間で、その類似性が争点となった…