物品税法第二二条により法人を処罰するには、その代表者または従業者がその法人の業務に関し同条所定の違反行為をしたことが証明されれば足り、行為者が処罰されることを要件とするものではない。
物品税法第二二条により法人を処罰するには行為者が処罰されることが必要か
物品税法22条
判旨
法人を処罰する両罰規定の適用において、自然人である行為者が現実に処罰されることは要件ではなく、代表者等の業務に関する違反行為が証明されれば法人の処罰が可能である。
問題の所在(論点)
両罰規定に基づき法人を処罰する場合、行為者(代表者や従業者)が現実に処罰されることが法人の有罪判決の前提要件となるか。
規範
両罰規定(本件では旧物品税法22条)により法人を処罰するためには、その代表者又は従業者が、その法人の業務に関して違反行為をしたことが証明されれば足り、当該行為者が現実に処罰されることまでは要件とならない。
重要事実
被告人A株式会社の代表者Bが、法人の業務に関して物品税法所定の違反行為(通脱罪)を行ったとして、法人であるA社が同法22条の両罰規定に基づき起訴された。弁護人は、法人を処罰するためには前提として行為者本人が処罰されることが必要であると主張して上告した。
あてはめ
旧物品税法22条は、法人の業務に関して違反行為があった場合に法人に刑を科すことを定めている。本件において、代表者Bが法人の業務に関し同条所定の違反行為をした事実は証拠により証明されている。法人処罰の根拠は、行為者の行為を通じて法人の業務遂行に違法があった点にあるため、行為者個人に対する具体的処罰の有無は、法人の責任を問う妨げにはならない。したがって、行為者の処罰を待たずに法人を処罰した原審の判断は正当である。
結論
行為者が処罰されることは法人処罰の要件ではないため、本件法人に対する有罪判決は維持される(上告棄却)。
実務上の射程
両罰規定における法人と行為者の責任の独立性を示す重要な法理である。行為者が死亡、公訴時効完成、あるいは責任無能力等の事由で処罰できない場合であっても、違反行為の客観的・主体的事実が証明される限り、法人を処罰できるという実務上の運用を支える。
事件番号: 昭和35(あ)712 / 裁判年月日: 昭和37年12月27日 / 結論: その他
旧物品税法第二二条のいわゆる両罰規定における事業主たる法人又は人に対する公訴時効は、その法人又は人に対する法定刑たる罰金刑につき定められた三年の期間を経過することによつて完成する。
事件番号: 昭和36(あ)188 / 裁判年月日: 昭和37年2月22日 / 結論: 棄却
物品税の納税義務者の従業員がその義務者の業務に関し不正行為をもつて物品税を逋脱した場合には、金員着服の目的によるときであつても、物品税法第一八条第一項第二号の罪が成立する。