阿片を採取した残滓である、阿片アルカロイドを含有するケシガラは、昭和二八年法律第一四号および昭和二九年法律第七一号による改正前の各麻薬取締法の麻薬にあたる。
阿片を採取した残滓である、阿片アルカロイドを含有するケシガラと昭和二八年法律第一四号および昭和二九年法律第七一号による改正前の各麻薬取締法の麻薬。
旧麻薬取締法(昭和23年法律123号)1条4号,旧麻薬取締法(昭和23年法律123号)3条1項,旧麻薬取締法(昭和23年法律123号)57条,麻薬取締法(昭和28年法律14号)2条1号別表24,麻薬取締法(昭和28年法律14号)65条,麻薬取締法(昭和28年法律14号)附則2項16項,あへん法附則7号8号
判旨
ケシガラが麻薬取締法上の麻薬に該当し、その認識を欠くという主張は事実誤認の主張であって、正当な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
1.ケシガラが麻薬取締法上の麻薬に該当するかどうか。 2.麻薬であることの認識を欠く場合、故意が阻却されるか。
規範
故意の対象となる客体については、それが法律上の定義に該当する事物の実体を有している限り、客体としての該当性が認められる。また、具体的な認識の内容が客体の性質に及ばない場合であっても、それが事実上の認識を欠くものに過ぎないときは、故意の成立を妨げない。
重要事実
被告人が麻薬取締法違反(ケシガラの所持等と推認される)に問われた事案において、被告人側は本件ケシガラが同法上の麻薬に該当しないこと、および麻薬であることの認識がなかったことを主張して上告した。
あてはめ
原判決が詳細に説示するとおり、本件ケシガラは麻薬取締法上の麻薬に該当する。また、麻薬であることの認識がなかったという主張は、単なる事実誤認の主張に過ぎず、憲法違反や適法な上告理由(刑訴法405条)を構成するものではない。
結論
本件ケシガラは麻薬に該当し、認識の欠如を理由とする上告は適法な理由に当たらないため、上告を棄却する。
実務上の射程
違法薬物の該当性判断における、事物の客観的な性質と構成要件該当性の関係、および故意における対象の認識の程度(事実の錯誤か法律の錯誤か)が問題となる場面で、客観的該当性を優先する実務的な判断枠組みとして参照される。
事件番号: 昭和25(あ)2169 / 裁判年月日: 昭和27年3月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】麻薬の所持にあたり、当該物質が麻薬であることを認識している以上、その所持が法律で禁じられていることを知らなかったとしても、それは単なる「法の不知」にすぎず、故意の成立は妨げられない。 第1 事案の概要:被告人は、麻薬取締法で規制されているモルヒネ注射液を所持していた。被告人は元衛生兵であり、第一審…
事件番号: 昭和61(あ)172 / 裁判年月日: 昭和61年6月9日 / 結論: 棄却
一 覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩粉末を麻薬であるコカインと誤認して所持した場合には、麻薬取締法六六条一項、二八条一項の麻薬所持罪が成立する。 二 覚せい剤であるフエニルメチルアミノプロパン塩酸塩粉末を麻薬であるコカインと誤認して所持した場合における覚せい剤の没収は、覚せい剤取締法四一条の六によるべき…