刑事補償請求事件についてされた即時抗告棄却決定の謄本が、請求人本人と即時抗告申立代理人との双方に日を異にして送達された場合における特別抗告申立の期間は、請求人本人に送達された日から進行する。
刑事補償請求事件についての即時抗告棄却決定謄本が請求人本人と代理人との双方に日を異にして送達された場合と特別抗告申立期間の起算日
刑事補償法9条,刑事補償法14条,刑事補償法19条,刑事補償法23条,刑訴法358条,刑訴法433条
判旨
刑事補償請求事件の原決定に対する抗告において、請求人本人と代理人の双方に決定謄本が送達された場合、抗告期間は請求人本人に送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
刑事補償法における抗告期間の起算点に関し、本人と代理人の双方に決定謄本が送達された場合、いずれの送達時を基準に期間を算定すべきか。
規範
刑事補償法23条、刑訴法433条2項に基づく抗告申立期間(5日)の起算点について、請求人本人と代理人の双方に裁判の謄本が送達された場合には、先に送達を受けた者があるときはその時(本件では請求人本人への送達時)から期間が進行する。
重要事実
刑事補償請求事件の原決定(即時抗告棄却)の謄本が、請求人本人には昭和55年3月20日に、即時抗告申立代理人には同年3月21日にそれぞれ送達された。これに対し、本件抗告の申立ては同年3月26日になされた。
事件番号: 昭和58(し)97 / 裁判年月日: 昭和58年10月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の提起期間は、申立人本人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、先に送達を受けた者に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:申立人は、原決定(抗告棄却決定等)に対して昭和58年10月6日に特別抗告の申し立てを行った。記録によれば、原決定の謄本は、申立人本人には同年9月3…
あてはめ
本件において、請求人本人への送達は3月20日、代理人への送達は3月21日である。判例の趣旨に照らせば、本人に送達された3月20日が期間の起算点となる。この日から5日の抗告期間を算定すると、3月25日が期間の末日となる。本件抗告の申立ては3月26日であり、この期間を経過しているため、不適法な申立てであると解される。
結論
本件抗告の申立ては期間経過後になされたものであり、不適法として棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事手続全般における上訴・抗告期間の徒過を防ぐための鉄則を示すものである。代理人の受領を基準にすると期間制限に抵触する恐れがあるため、答案作成上は「本人への送達」という最も早い起算点を常に意識し、期間計算を行う必要がある。
事件番号: 昭和43(し)95 / 裁判年月日: 昭和43年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判の告知(送達)が被告人本人と弁護人の双方に対してなされた場合、抗告申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:弁護人Aが、即時抗告申立棄却決定に対して特別抗告を申し立てた事案。当該決定謄本は、被告人本人には昭和43年10月27日に、弁護人Aには同年10月2…
事件番号: 昭和49(し)69 / 裁判年月日: 昭和49年7月18日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法三六六条一項は、刑事補償請求事件の特別抗告申立には準用ないし類推適用されない。
事件番号: 昭和45(し)24 / 裁判年月日: 昭和45年4月30日 / 結論: 棄却
忌避申立却下決定に対する即時抗告棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された時から進行をはじめる。
事件番号: 昭和46(し)76 / 裁判年月日: 昭和46年9月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条2項に基づく特別抗告の申立期間(5日間)は、決定の謄本が被告人に送達された日から起算される。本件では、書留郵便による送達から5日を経過した後の申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対し、本件原決定の謄本が昭和46年7月23日に書留郵便に付される方法によって送…