一 地方税法一二二条四項に「その行為者を罰する外」とあるのは、代表者・従業者等が法人又は人の業務に関し同条一項又は二項の違反行為に該当する行為をした場合には、同人らに当該規定による犯罪が成立し、同人らを処罰する趣旨である。 二 料理飲食等消費税の特別徴収義務者である法人の代表者がその法人の業務に関し地方税法一二二条一項の違反行為をしたときは、同条四項及び一項により処罰される。
一 地方税法一二二条四項に「その行為者を罰する外」とある法意 二 料理飲食等消費税の特別徴収義務者である法人の代表者がその法人の業務に関し地方税法一二二条一項の違反行為をしたときの罰条
地方税法122条1項,地方税法122条2項,地方税法122条4項
判旨
地方税法122条4項の「行為者を罰する外」との規定は、法人の代表者が法人の業務に関して違反行為をした場合、その代表者自身に犯罪が成立し処罰する趣旨である。したがって、特別徴収義務者でない代表者個人も、同項及び同条1項により罰せられる。
問題の所在(論点)
地方税法122条1項において罰則の対象となっているのは「特別徴収義務者」であるが、法人格のない代表者個人が同義務者に該当しない場合であっても、同条4項の両罰規定によって処罰し得るか。
規範
両罰規定(地方税法122条4項)にいう「その行為者を罰する外」とは、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者が、その法人の業務に関して違反行為に該当する行為をした場合には、当該行為者本人に当該規定による犯罪が成立し、同人を処罰する趣旨であると解すべきである。
重要事実
被告人は、料理飲食等消費税の特別徴収義務者であったA株式会社の代表取締役であった。被告人は、同会社の業務に関し、本来東京都に納入すべき同税に係る納入金を納入しなかった。被告人自身は特別徴収義務者(納税義務のある主体)ではなかった。
あてはめ
被告人は、特別徴収義務者であるA株式会社の代表取締役として、その業務に関し、納税すべき納入金を納入しなかった。この不納付行為は地方税法122条1項の違反行為に該当する。同条4項は、法人の代表者が法人の業務として違反行為を行った場合に、その行為者自身を罰することを定めているため、被告人が自ら特別徴収義務者でないとしても、同条4項及び1項に基づき処罰の対象となる。
結論
被告人は、自ら特別徴収義務者ではないとしても、地方税法122条4項及び1項により、同罪の行為者として処罰される。
実務上の射程
身分犯における非身分者の処罰根拠として、両罰規定が「行為者」を処罰する独立の根拠規定となり得ることを示した判決である。答案上は、法人にのみ身分がある場合でも、両罰規定の文言(「行為者を罰する」)を根拠に、直接実行した代表者等の処罰を肯定する論法として活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)1057 / 裁判年月日: 昭和28年8月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】第一審判決と第二審判決の間に「特別徴収義務者」の解釈に関する見解の相違があったとしても、いずれの見解に従っても被告人が当該義務者に該当すると認められる場合には、第一審判決を是認した判断に矛盾はなく適法である。 第1 事案の概要:被告人が、入場税法上の「特別徴収義務者」として徴収納付義務を負うかが争…