宅地建物取引業法(昭和四六年法律第一一〇号による改正前のもの)一二条一項にいう「宅地建物取引業を営む」とは、営利の目的で反復継続して行う意思のもとに宅地建物取引業法二条二号所定の行為をなすことをいう。
宅地建物取引業法(昭和四六年法律第一一〇号による改正前のもの)一二条一項にいう「宅地建物取引業を営む」の意義
宅地建物取引業法2条2号,宅地建物取引業法(昭和46年法律110号による改正前のもの)3条1項,宅地建物取引業法(昭和46年法律110号による改正前のもの)12条1項,宅地建物取引業法(昭和46年法律110号による改正前のもの)24条2号
判旨
宅地建物取引業法にいう「業を営む」とは、営利の目的をもって、反復継続して行う意思で取引行為を行うことを指す。本件では、被告人に利得の目的が認められるため、無免許での営業行為に該当する。
問題の所在(論点)
宅地建物取引業法12条1項(無免許事業の禁止)の「業を営む」の意義、特に営利の目的の要否が問題となる。
規範
宅地建物取引業法(昭和46年法律第110号による改正前のもの)12条1項にいう「宅地建物取引業を営む」とは、営利の目的をもって反復継続して行う意思のもとに、同法2条2号所定の行為(宅地若しくは建物の売買等)をなすことをいう。
重要事実
被告人は、免許を受けずに本件宅地の売渡しを行った。原審は「業を営む」の意義について本規範と異なる解釈を示したが、記録によれば被告人が当該売渡しにつき利得の目的を有していたことは明らかであった。
事件番号: 昭和42(あ)1874 / 裁判年月日: 昭和43年2月1日 / 結論: 棄却
宅地建物取引業法第一二条第一項にいう「宅地建物取引業を営む」とは、反覆継続して不特定または多数の者の間に宅地建物売買等の代理もしくは媒介をする意思の下に、右行為をなすことをいい、その回数の多寡は問うところではない。
あてはめ
被告人が本件宅地の売渡しを行うにあたり、利得の目的を有していたことは記録上明らかである。営利の目的をもって反復継続する意思で取引を行ったと認められる以上、原審の解釈に一部誤りがあるとしても、被告人の行為は「業を営む」ものに該当すると判断される。
結論
被告人の行為は宅地建物取引業を営むものに該当し、無免許営業の禁止に抵触する。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
行政法規の罰則規定における「業として」または「業を営む」の解釈指針として重要。営利性と反復継続性の意思をセットで検討する際の規範として、行政刑法の答案で汎用性が高い。
事件番号: 昭和45(あ)1889 / 裁判年月日: 昭和46年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】職業選択の自由や営業の自由は公共の福祉のため合理的な理由があれば制限が許され、無免許での宅地建物取引業の禁止は具体的弊害発生の有無を問わず合憲である。また、宅地建物取引業法上の「宅地」とは、現に建物の敷地である土地に限らず、建物の敷地に供する目的で取引される土地を広く指称する。 第1 事案の概要:…
事件番号: 平成16(あ)1065 / 裁判年月日: 平成16年12月10日 / 結論: 棄却
民事執行法上の競売手続により宅地又は建物を買い受ける行為は,宅地建物取引業法2条2号にいう宅地又は建物の「売買」に当たる。
事件番号: 昭和44(あ)2554 / 裁判年月日: 昭和46年3月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】宅地建物取引業法に基づく免許を受けずに宅地建物の売買を反復継続して行う行為は、個別の取引の目的がいかなるものであっても、同法12条1項に違反する。 第1 事案の概要:被告人は、宅地建物取引業の免許を受けずに、多数の土地の購入等の取引(犯罪一覧表記載の番号1ないし13の行為)を反復して行っていた。被…
事件番号: 昭和60(あ)93 / 裁判年月日: 昭和63年12月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】宅地建物取引業者が自ら購入者となる取引についても、規制を及ぼさなければ取引の公正が害される等の弊害が生ずるおそれがあるため、宅地建物取引業法による規制は憲法22条1項に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は宅地建物取引業者であったが、自ら宅地又は建物の購入者となる取引を行った。この際、宅地建物取…