原判決をした小法廷を構成する裁判官が退官したため、右小法廷判決に対する判決訂正の申立について裁判しようとする時において、その定足数を欠くときは、新たに任命された裁判官を加えた小法廷で右訂正申立についての裁判をなすべきである。
原判決をした小法廷を構成する裁判官の退官による定足数の不足と、その判決に対する訂正申立についての裁判をなすべき裁判所の構成
刑訴法415条,刑訴法416条,刑訴規則270条,最高裁判所裁判事務処理規則2条2項
判旨
判決訂正の申立について、判決の内容に誤りがあることが認められない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づき申立を棄却する。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法417条1項に基づく判決訂正の申立に対し、判決の内容に誤りが認められない場合にどのような判断を下すべきか。
規範
最高裁判所は、判決の内容に誤りがあることを発見したときは、申立又は職権により、判決を訂正することができる(刑事訴訟法417条1項)。逆に、判決の内容に誤りがあることが認められない場合には、同条項により申立を棄却すべきである。
重要事実
所得税法違反被告事件について、昭和45年12月18日に最高裁判所が判決を言い渡した。これに対し、弁護人から判決訂正の申立がなされた。
あてはめ
本件における判決訂正の申立の内容を精査したが、従前の判決の内容に誤りがある事実は発見されなかった。したがって、訂正の要件を満たさないものと判断される。
結論
本件判決訂正の申立を棄却する。
実務上の射程
最高裁判所の判決に対する訂正申立は、条文上「誤りがあることを発見したとき」に限定される。実務上、上告審判決に明白な誤記や計算違い、判断の遺脱等がない限り、本条による訂正は認められないことを示す事例である。
事件番号: 昭和27(み)7 / 裁判年月日: 昭和27年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決内容の誤りを正すための訂正申立につき、申立理由が認められない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づきこれを棄却する。 第1 事案の概要:本件は、最高裁判所の判決に対し、申立人が末尾添附の書面記載の理由をもって判決の訂正を申し立てた事案である。判決文からは具体的な事件内容や誤りの指摘内容は不明で…
事件番号: 昭和45(み)6 / 裁判年月日: 昭和45年4月28日 / 結論: 棄却
判決に反対意見を付した裁判官が、判決訂正申立棄却決定にも同一反対意見を付した事例。
事件番号: 昭和26(す)268 / 裁判年月日: 昭和26年9月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決訂正の申立において、申立人がその理由を何ら示さない場合には、刑事訴訟法417条により申立を棄却すべきである。 第1 事案の概要:横領、銃砲等所持禁止令違反の被告事件に関し、昭和26年7月10日に下された最高裁判所の決定に対し、被告人および弁護人が判決訂正の申立を行った。しかし、申立人らは当該申…
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…