昭和二四年高知県条例第三七号高知県屋外広告物取締条例三条、四条は、憲法二一条に違反しない。
昭和二四年高知県条例第三七号高知県屋外広告物取締条例三条四条と憲法二一条
憲法21条,屋外広告物法1条,屋外広告物法2条,屋外広告物法3条,高知県屋外広告物取締条例3条,高知県屋外広告物取締条例4条,高知県屋外広告物取締条例23条1号
判旨
屋外広告物法に基づき、美観風致を維持し公衆に対する危害を防止するために設けられた屋外広告物条例による表現活動の制限は、憲法21条に違反しない。
問題の所在(論点)
屋外広告物の設置を規制する条例の規定が、表現の自由を保障する憲法21条に違反するか。
規範
表現の自由といえども、公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受ける。特に、美観風致の維持や公衆に対する危害防止といった重要な公共の利益を目的とする場合、その目的達成のために必要最小限度の制限であれば、表現の自由の制限を定める法令は憲法21条に違反しない(昭和43年12月18日大法廷判決の趣旨)。
重要事実
被告人が、高知県屋外広告物取締条例3条および4条の規定に違反して、指定された禁止区域等に屋外広告物を設置した。これに対し、弁護人が当該条例は表現の自由を保障する憲法21条に違反すると主張して上告した事案である。
事件番号: 平成6(あ)110 / 裁判年月日: 平成8年6月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】屋外広告物条例等による広告物(ビラ)の貼付規制は、表現の自由(憲法21条1項)を侵害せず、同条項に照らし合憲である。公共の福祉に基づく合理的な制限として、特定の場所における広告物掲出の禁止や処罰は正当化される。 第1 事案の概要:被告人が、愛媛県屋外広告物条例によって広告物の表示が禁止されている場…
あてはめ
本判決は、先行する最大判昭和43年12月18日の判断枠組みを引用している。屋外広告物条例は、都市の美観を損なわないことや、工作物の倒壊等による公衆への危険を防止することを目的としている。このような「美観風致の維持」や「公衆に対する危害の防止」は、公共の福祉に合致する正当な目的である。したがって、これらに基づく合理的な規制は憲法21条が許容する範囲内にあると解される。
結論
高知県屋外広告物取締条例3条、4条の規定は、憲法21条に違反しない。
実務上の射程
屋外広告物や貼り紙などの「場所」や「方法」に着目した表現活動の規制に関するリーディングケースである。答案上は、表現の内容そのものではなく、時・所・方法の規制として、目的の正当性と手段の合理性・必要性を論じる際の根拠として活用する。また、条例による憲法上の権利の制限が肯定される例としても重要である。
事件番号: 平成1(あ)511 / 裁判年月日: 平成4年6月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】軽犯罪法1条33号及び大阪市屋外広告物条例の規定は、憲法21条および31条に違反せず、表現の自由の不当な制限には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が、軽犯罪法1条33号前段(他人の工作物にみだりに広告物等をはりつけた罪)および大阪市屋外広告物条例(許可を受けずに広告物を掲出する等の罪)に違反す…
事件番号: 昭和58(あ)1310 / 裁判年月日: 昭和61年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】屋外広告物条例及び軽犯罪法が定める表現活動の制限規定は、表現の自由を保障する憲法21条1項に違反せず、これを本件に適用することも合憲である。 第1 事案の概要:被告人らは、佐賀県屋外広告物条例が禁止する場所に広告物を掲出し、また軽犯罪法1条33号が規定する「他人の工作物等にみだりに広告物等をはり、…
事件番号: 平成4(あ)526 / 裁判年月日: 平成7年12月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】屋外広告物条例により電柱等への広告物表示を禁止・制限することは、都市の美観風致を維持し公衆に対する危害を防止するという公共の福祉のため、表現の自由を必要かつ合理的範囲内で制限するものであり、憲法21条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が、滋賀県屋外広告物条例により広告物の表示が禁止または制限…
事件番号: 昭和41(あ)536 / 裁判年月日: 昭和43年12月18日 / 結論: 棄却
昭和三一年大阪市条例第三九号大阪市屋外広告物条例第一三条第一号、第四条第二項第一号、第三項第一号は、憲法第二一条に違反しない。