盗犯等の防止及び処分に関する法律三条にいう三回以上の懲役刑は、その相互間に刑法五六条所定の要件が存在することを必要としない。
盗犯等の防止及び処分に関する法律三条にいう三回以上の懲役刑と刑法五六条の要件の要否
盗犯等の防止及び処分に関する法律3条,刑法56条,刑法59条
判旨
盗犯等の防止及び処分に関する法律3条にいう「3回以上」の懲役刑には、刑法56条が定める累犯(再犯)の要件を充足する必要はない。
問題の所在(論点)
盗犯等の防止及び処分に関する法律3条の適用要件である「3回以上懲役刑の言渡しを受け」たという要件について、刑法56条(再犯)の要件(前刑執行終了から5年以内の再犯等)を満たす必要があるか。
規範
盗犯等の防止及び処分に関する法律3条(常習累犯窃盗等)の適用要件としての「3回以上」の懲役刑の言渡しには、刑法56条に規定する累犯(再犯)の要件を具備していることは必要とされない。
重要事実
被告人は窃盗等の罪により過去に懲役刑の言渡しを複数回受けていた。本件において、検察官は盗犯等の防止及び処分に関する法律3条の常習累犯窃盗として起訴したが、弁護人は、同条にいう「3回以上の懲役刑」は、刑法56条に定める累犯の要件(前刑の執行終了の日等から5年以内)を満たすものに限られるべきであると主張して上告した。
あてはめ
判旨は、同法3条にいう懲役刑につき、刑法56条の要件の存在は必要でないとした原判決の判断を正当であると認めた。これは、同法3条が刑法上の累犯規定とは別に、常習的な窃盗犯に対してその常習性および犯行回数に着目して加重処罰を規定した独自の特別法であるとの趣旨に基づくものと解される。
結論
盗犯等の防止及び処分に関する法律3条にいう「3回以上」の懲役刑につき、刑法56条の要件の存在は必要ではなく、前刑の執行終了時期等の制限なく同条が適用される。
実務上の射程
常習累犯窃盗罪(盗犯等防止法3条)の成否を検討する際、前科の回数が3回以上あれば、刑法上の累犯(再犯)期間の制限を考慮せずに適用できることを示す重要な射程を持つ。
事件番号: 昭和45(あ)2018 / 裁判年月日: 昭和46年2月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】盗犯等の防止及び処罰に関する法律3条が常習累犯者の法定刑を重くしていることは、新たな犯行に対する刑罰の加重であって、二重処罰を禁じた憲法39条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、窃盗等の罪を繰り返しており、盗犯等の防止及び処罰に関する法律(盗犯防止法)3条の規定に基づき、常習累犯者として重…