道路交通法第二条第五号(交差点の定義)にいう道路の交わる部分とは、本件のように、車道と車道とが交わる十字路の四つかどに、いわゆるすみ切りがある場合には、各車道の両側のすみ切り部分の始端を結ぶ線によつて囲まれた部分(判文参照)をいうものと解するのが相当である。
道路交通法第二条第五号(交差点の定義)にいう道路の交わる部分の範囲
道路交通法2条5号,道路交通法43条
判旨
道路交通法2条5号にいう「道路の交わる部分」とは、車道と車道とが交わる十字路の四つかどに「すみ切り」がある場合、各車道の両側のすみ切り部分の始端を結ぶ線によって囲まれた部分をいう。
問題の所在(論点)
道路交通法2条5号に規定される「道路の交わる部分」(交差点)の具体的範囲、特に「すみ切り」がある場合の範囲画定基準が問題となる。
規範
道路交通法2条5号の「交差点」の定義である「道路の交わる部分」の範囲について、車道同士が交差する箇所に「すみ切り」が存在する場合には、各車道の両側のすみ切り部分の始端(カーブの始まり)を直線で結んだ線によって画定される範囲内を指すと解すべきである。
重要事実
被告人が運転する車両が十字路の交差点において事故を起こした際、その場所が道路交通法上の「交差点」に該当するか、あるいはその範囲がどこまでかが争点となった。当該交差点は車道と車道が交わる十字路であり、四つかどには「すみ切り」(道路の角を円弧状または直線状に削って広くした部分)が設けられていた。
あてはめ
本件のような「すみ切り」がある十字路においては、単に道路の延長線が交わる矩形部分のみならず、すみ切りによって拡幅された部分を含めて交通の安全を図る必要がある。したがって、各車道の側線がカーブし始める点(始端)をそれぞれ結んだ境界線(判決文別紙図面の斜線部分参照)の内側こそが、車両が相互に交錯する危険性のある「道路の交わる部分」に当たると評価される。被告人の供述に任意性や信用性を疑う事情はなく、当該範囲内での行為に基づき同法違反が認められる。
結論
すみ切りがある交差点においては、各すみ切り部分の始端を結ぶ線に囲まれた部分が「道路の交わる部分」に該当する。本件上告は棄却される。
実務上の射程
道路交通法上の交差点内における徐行義務、追い越し禁止、駐停車禁止などの規定が適用される範囲を確定する際の基準となる。実務上は、すみ切りの始端(曲がり角の開始地点)を基準に「交差点内」か「交差点付近」かを区別する際の確実な判断指標として機能する。
事件番号: 昭和43(あ)2162 / 裁判年月日: 昭和44年5月2日 / 結論: 破棄差戻
車両等が、道路交通法四二条にいう「交通整理の行なわれていない交差点で左右の見とおしのきかないもの」に進入しようとする場合において、その車両の進行している道路が同法三六条により優先道路の指定を受けているとき、またはその幅員が明らかに広いため、同条により優先通行権の認められているときには、直ちに停止することができるような速…
事件番号: 昭和48(あ)845 / 裁判年月日: 昭和49年3月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】交通事故における業務上過失致死傷罪の成否に関し、一時停止義務および左右の安全確認義務を怠った事実が認められる場合には、交差道路の広狭に関わらず過失の成立が認められる。 第1 事案の概要:被告人が自動車を運転中、交差点において一時停止の義務があったにもかかわらずこれを怠り、かつ左右道路の交通の安全を…
事件番号: 昭和62(あ)644 / 裁判年月日: 昭和63年4月28日 / 結論: 棄却
車両等が道路交通法四二条一号にいう「左右の見とおしがきかない交差点」に入ろうとする場合には、右車両等の進行している道路がそれと交差する道路に比して幅員が明らかに広いときであつても、徐行義務は免除されない。