選挙長が明らかに有効な投票を故意に無効と決定して特定候補者の得票の数を減少させたときは、公職選挙法第二三七条第三項第四項の罪が成立する。
公職選挙法第二三七条第三項第四項のいわゆる投票増減罪が成立するとされた事例
公職選挙法237条3項,公職選挙法237条4項
判旨
共犯者の自白は、憲法38条3項にいう「本人の自白」には当たらない。したがって、被告人自身の自白がない場合であっても、共犯者の自白のみに基づいて有罪を認定することは憲法上許容される。
問題の所在(論点)
共犯者の自白が、憲法38条3項に規定される「本人の自白」に含まれるか。また、被告人本人の自白がない場合に共犯者の自白のみを証拠として有罪を認定できるか。
規範
憲法38条3項にいう「本人の自白」とは、当該被告人自身の自白を指す。共犯者の自白は被告人との関係では第三者の供述(伝聞証拠または証人供述等)に該当し、同項の適用を受けない。したがって、共犯者の自白を被告人の有罪認定の唯一の証拠とすることは、補強証拠を欠く自白による有罪認定の禁止に違反しない。
重要事実
被告人Aら4名は、公職選挙法違反(選挙長による得票数減少等)の罪に問われた。第一審および原審は、被告人Aと共犯者らとの間に、旅館等における共謀の事実があったことを認定した。この認定は、主に共犯者や共犯容疑者の供述(自白)を総合して導き出されたものであった。被告人Aは、自身の自白がないにもかかわらず共犯者の自白のみで有罪とされることは憲法38条3項に違反すると主張し、上告した。
あてはめ
最高裁判所は、昭和33年5月28日の大法廷判決を引用し、共犯者の自白は被告人以外の者の供述であると明示した。本件においても、共謀の事実を認定するための証拠として共犯者や共犯容疑者の供述を用いることは、被告人本人の自白(自負)を補強証拠なしに用いることと同義ではない。したがって、被告人自身の自白が存在しない場合でも、共犯者の供述に十分な証明力があると認められる限り、それに基づいて犯罪事実を認定することは憲法に違反しない。
結論
共犯者の自白は「本人の自白」に当たらない。したがって、これに基づいて共謀等の事実を認定することは憲法38条3項に違反せず、有罪判決は正当である。
実務上の射程
自白の補強法則(憲法38条3項、刑訴法319条2項)に関する基礎判例。答案上は、共犯者の供述の証拠能力や証明力を論ずる際、補強証拠の要否を判断する前提として「共犯者の供述は『本人の自白』に含まれない」と明記するために用いる。
事件番号: 昭和41(あ)2329 / 裁判年月日: 昭和42年2月16日 / 結論: 棄却
共犯者の犯罪事実に関する供述(自白)は、被告人に対する関係においては、被告人以外の者の供述であつて、憲法第三八条第三項にいわゆる「本人の自白」にあたらないことは当裁判所昭和二九年(あ)第一〇五六号同三三年五月二八日大法廷判決(集一二巻八号一七一八頁)の判示するところであり、今なお右判例を変更すべきものとは認められない。