そのままで土留め用の建築資材として又は落盤防止用の坑枠として使用できるばかりでなく、起重機用の軌条としても使用できる未切断の軌条は、摩耗損傷等のため本来の用途たる鉄道用の軌条としての使用には適しないとしても、関税定率法(昭和三四年法律第五六号により改正されたもの)別表一四〇五号の三にいう「軌条」に当る。
関税定率法(昭和三四年法律第五六号により改正されたもの)別表一四〇五号の三の「軌条」に当るとされた事例。
関税定率法(昭和34年法律56号により改正されたもの)3条,関税定率法(昭和34年法律56号により改正されたもの)別表14類1405号の3,関税定率法(昭和34年法律56号により改正されたもの)別表14類1405号の10
判旨
犯罪貨物が犯行時に犯人の単独所有であっても、その後に善意の第三者の所有に帰した場合には、関税法に基づき没収することはできない。また、第三者の権利を保護する適正手続を前提とする限り、没収の制限規定は憲法31条および29条に違反しない。
問題の所在(論点)
犯罪時に犯人の所有であった貨物が、その後に善意の第三者に転得された場合、関税法118条に基づき没収できるか。また、没収の制限を巡る規定は憲法31条、29条に違反するか。
規範
関税法118条1項2号および2項の規定により、犯罪貨物が犯罪後に善意の第三者の所有に帰した場合には、当該貨物を没収することはできない。また、没収制度における第三者の権利保護の在り方については、先行する大法廷判決の趣旨に照らし、憲法31条(適正手続)および29条(財産権)に反しない。
重要事実
被告会社は関税法違反の犯罪行為に及んだ。本件の犯罪貨物は、犯罪当時においては被告会社の単独所有に属していた。しかし、その後、当該貨物は犯罪の事情を知らない善意の第三者によって取得され、その所有に帰した。
あてはめ
本件貨物は犯罪時において被告会社の単独所有であったが、その後に善意の第三者の所有に帰している。関税法118条1項2号・2項によれば、善意の第三者が所有権を取得した場合には没収を免れる。また、第三者の所有物没収に関する適正手続の欠如が憲法違反とされた判例(最大判昭37.11.28)があるが、本件のような第三者保護規定の運用は、憲法31条および29条の趣旨に反するものではない。
結論
本件犯罪貨物は善意の第三者の所有に帰しているため、没収することはできない。また、本件に適用される関税法の規定は憲法に違反しない。
実務上の射程
犯罪貨物の所有権が犯人から善意の第三者へ移転した場合の没収の限界を明示した。刑事実務上、没収・追徴の可否を検討する際は、犯罪時のみならず裁判時(処分時)の所有関係および取得者の善意・悪意を確定させる必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和30(あ)2961 / 裁判年月日: 昭和37年11月28日 / 結論: 破棄自判
一 関税法第一一八条第一項の規定により第三者の所有物を没収することは、憲法第三一条、第二九条に違反する。 二 前項の場合、没収の言渡を受けた被告人は、たとえ第三者の所有物に関する場合であつても、これを違憲であるとして上告することができる。