風俗営業等取締法第三条に基づく東京都風俗営業等取締法施行条例第二二条は、憲法第一三条、第二二条第一項、第二五条に違反しない。
風俗営業等取締法第三条に基づく東京都風俗営業等取締法施行条例第二二条(営業時間の制限)の合憲性
風俗営業等取締法3条,風俗営業等取締法7条2項,東京都風俗営業等取締法施行条例(昭和34年3月20日東京都条例10号)22条,憲法13条,憲法22条1項,憲法25条
判旨
風俗営業における営業時間の制限は、深夜の営業に伴い発生しやすい売淫や賭博等の不法行為を防止し、善良の風俗を維持するために必要かつ合理的な措置であって、憲法22条1項に違反しない。
問題の所在(論点)
風俗営業等取締法に基づき、条例によって風俗営業の営業時間を制限することは、憲法22条1項が保障する職業選択の自由(営業の自由)を侵害し、違憲ではないか。
規範
職業の自由に対する制限は、公共の福祉のために是認されるべき範囲内であれば憲法に違反しない。特に、風俗営業等の特定の業態については、その性質上、善良の風俗を害する行為を誘発するおそれがあるため、その弊害を防止するために必要な制限を課すことは公共の福祉による正当な制約といえる。
重要事実
被告人は、東京都風俗営業等取締法施行条例22条(当時)が定める営業時間の制限(キャバレー等は午後11時30分まで、その他は午後11時まで)に違反したとして起訴された。被告人は、当該制限が職業の自由を保障する憲法22条1項等に違反すると主張して争った。
あてはめ
まず、風俗営業が深夜に及ぶ場合、売淫や賭博などの善良の風俗を害する行為を誘発する蓋然性が高い。したがって、営業時間の制限は、これらの弊害を防止するという正当な目的のための必要な措置である。また、本条例は「特別の事由」があり公安委員会の承認を受けた場合には深夜営業を認めるという例外規定を設けており、一律に禁止するものではない。以上から、本件制限は公共の福祉に基づく合理的な制約といえる。
結論
本件条例の規定は、憲法22条1項、13条、25条等に違反しない。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
職業の自由に対する消極目的規制(警察制限)の初期の判断枠組みを示したものである。現在は「薬局距離制限事件」等の判例がより詳細な審査基準(厳格な合理性の基準)を示しているが、本判決は、風俗営業のような社会的弊害が生じやすい業態に対する営業時間制限(営業の態様への制限)が広く認められる根拠として、実務上参照される。
事件番号: 昭和36(あ)637 / 裁判年月日: 昭和36年7月14日 / 結論: 棄却
売春防止法第一二条の規定は、憲法第二二条に違反しない。
事件番号: 昭和55(あ)862 / 裁判年月日: 昭和55年12月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】条例が禁止する「卑わいな行為」という規定は、当該事件の具体的行為に適用される限りにおいて、憲法31条が要求する刑罰法規の明確性の原則に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らが長崎県条例(風俗営業等取締法施行条例)24条が禁止する「卑わいな行為」に該当する行為を行ったとして起訴された事案である。被…