上告棄却決定に対する異議申立棄却決定に対しては刑訴第五〇一条にいわゆる裁判の解釈を求める申立をすることができない
上告棄却決定に対する異議申立棄却決定について刑訴法第五〇一条の申立ができるか
刑訴法501条,刑訴法414条,刑訴法386条1項3号,刑訴法386条2項,刑訴法385条2項,刑訴法422条,刑訴法415条
判旨
刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈を求める申立ては、刑の言渡しをした裁判所に対してなされるべきものであり、上告棄却決定や異議申立棄却決定に対しては許されない。
問題の所在(論点)
上告棄却決定に対する異議申立を棄却した決定に対し、刑事訴訟法501条に基づく「裁判の解釈を求める申立」をすることが可能か。
規範
刑事訴訟法501条の「裁判の解釈を求める申立」は、刑の言渡しをした裁判所に対してなされるべきものである。したがって、実体的な刑の言渡しを伴わない上告棄却決定や、それに対する異議申立を棄却した決定については、同条に基づく申立ての対象とはならない。
重要事実
申立人は、最高裁判所が昭和33年5月20日に下した上告棄却決定に対する異議申立につき、これを棄却する決定を受けた。これに対し、申立人は当該決定の解釈を求めて、最高裁判所に対し刑事訴訟法501条に基づく申立てを行った。
事件番号: 昭和33(す)547 / 裁判年月日: 昭和33年12月24日 / 結論: 棄却
再審請求棄却決定に対する異議申立棄却決定に対してなされた特別抗告を棄却した決定に対しては、刑訴第五〇一条にいわゆる裁判の解釈を求める申立をすることはできない。
あてはめ
刑事訴訟法501条の趣旨は、刑の執行に関し、執行の根拠となる有罪判決の主文の意味内容が不明瞭な場合にその解釈を明らかにする点にある。本件で申立人が対象としている裁判は、異議申立を棄却した決定であり、自ら刑の言渡し(実体裁判)を行うものではない。このような裁判は、判例上も同条の申立ての対象外とされており、本件申立ても同様に許容されないと解される。
結論
本件申立ては不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事手続法上の救済手段(501条、502条)の対象となる裁判の限定性を示す。刑の執行を前提としない手続的決定や、有罪の言渡しを含まない上訴棄却決定等は、裁判の解釈申立ての対象外であることを明示する際に有用である。
事件番号: 昭和58(す)143 / 裁判年月日: 昭和58年10月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求棄却決定に対する即時抗告棄却決定に対してなされた特別抗告を棄却した決定については、刑事訴訟法501条にいう「裁判の解釈を求める申立」をすることはできない。 第1 事案の概要:申立人は、再審請求を棄却した決定、及びこれに対する即時抗告を棄却した決定を経てなされた特別抗告棄却決定に対し、刑事訴…
事件番号: 昭和44(す)273 / 裁判年月日: 昭和45年1月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条にいう「刑の言渡をした裁判所」に上告棄却判決をした最高裁判所は含まれず、また「裁判の解釈について疑があるとき」とは判決主文の趣旨が不明瞭な場合に限られる。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却判決に対し、刑事訴訟法501条に基づき裁判の解釈に関する疑義の申し立てを…
事件番号: 昭和28(す)634 / 裁判年月日: 昭和29年2月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法501条に基づく裁判の解釈を求める申立ては、刑の言渡しをした裁判に対してのみ許される。上告棄却の決定は、刑を言い渡した裁判には当たらないため、これに対する同条の申立ては不適法である。 第1 事案の概要:被告人(申立人)は、最高裁判所が自らの上告を棄却した決定に対し、その解釈を求めるべく、…