地方裁判所支部庁舎の玄関扉のガラス等を破壊した器物毀棄の罪については、当該地方裁判所長が適法な告訴権を有する。
刑法第二六一条の器物毀棄罪と告訴権者。
刑法261条,刑法264条,刑訴法230条,国有財産法2条1項,国有財産法3条,国有財産法5条,下級裁判所会計事務規程2条,下級裁判所会計事務規程87条
判旨
裁判所が弁護人の開廷延期願を拒否したことが、直ちに憲法違反や訴訟法違反を構成するものではなく、裁判所の訴訟指揮権の適正な行使として認められる。
問題の所在(論点)
裁判所が弁護人の提出した開廷延期願を拒否することが、被告人の防御権を侵害し、憲法違反や刑事訴訟法上の訴訟手続の法令違反(刑訴法405条、411条等)を構成するか。
規範
裁判所には円滑な訴訟進行を図るための広範な訴訟指揮権が認められており、開廷日の指定や延期の可否については裁判所の裁量に委ねられる。弁護人の開廷延期願を拒否したことが直ちに違法となるわけではなく、その判断が憲法や刑事訴訟法の諸原則に抵触するか否かは、具体的な個別事情に基づいて判断される。
重要事実
被告人の弁護人は、裁判所に対し開廷延期願を提出したが、裁判官によってこれを拒否された。弁護人は、この拒否行為が憲法違反、事実誤認、または法令違背(刑事訴訟法違反)にあたるとして上告を申し立てた。しかし、記録上、弁護人が主張するような不当な理由によって延期願が拒否された事実は認められなかった。
あてはめ
最高裁判所は記録を精査したが、弁護人が主張するような「不当な理由による延期願の拒否」という事実は認められなかった。弁護人の主張は、実質的には単なる事実誤認や法令違背の主張にすぎず、憲法違反を基礎付ける具体的な根拠がない。また、原判決の判断に訴訟法違反はなく、職権で判決を取り消すべき事由(刑訴法411条)も認められない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由にあたらず、また刑訴法411条を適用すべき事由も認められないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
本判決は、開廷日の指定という訴訟指揮に関する裁判所の裁量を再確認したものである。実務上、弁護人が開廷延期を求める際には単なる不都合を述べるだけでは足りず、拒否が著しく不当で防御権の侵害に至ることを具体的に示す必要がある。司法試験においては、訴訟指揮の適法性を問う問題において、事実関係の存否や裁量の逸脱・濫用がないかを確認する際の考慮要素として位置づけられる。
事件番号: 昭和47(あ)1008 / 裁判年月日: 昭和48年7月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条に基づく上告において、引用された判例と事案を異にする場合は判例違反には当たらず、単なる法令違反の主張も適法な上告理由を構成しない。職権による破棄を定めた同法411条の適用要件も満たされない限り、上告は棄却されるべきである。 第1 事案の概要:検察官が、原判決には判例違反および法令…