少年法第六〇条にいう「人の資格に関する法令」には、累犯加重に関する刑法第五六条、第五七条の規定を包含しない。
少年法第六〇条にいう「人の資格に関する法令」と刑法第五六条、第五七条
少年法60条,刑法56条,刑法57条
判旨
少年法60条にいう「人の資格に関する法令」には、累犯加重に関する刑法の規定(刑法56条等)は含まれない。
問題の所在(論点)
少年法60条に規定される「少年のとき犯した罪について刑に処せられた者は、人の資格に関する法令の適用については、将来に向かつて刑の執行を受けなかつたものとみなす」という条文における「人の資格に関する法令」に、刑法上の累犯加重規定が含まれるか。
規範
少年法60条が規定する「人の資格に関する法令」の範囲には、累犯加重に関する刑法の規定を包含しないと解するのが相当である。
重要事実
被告人Bは、少年の時に犯した罪について刑を執行された(あるいは執行を猶予された)前科を有していたところ、再犯に及んだ。原審は、少年法60条の適用により累犯加重が排除されることはないとして被告人を処断したため、弁護人が少年法60条の解釈を誤った法令違反であるとして上告した。
あてはめ
少年法60条の趣旨は、少年のときに犯した罪による前科が、公認会計士や弁護士などの公的な資格取得や欠格条項において不利益に働くことを防ぐ点にある。これに対し、累犯加重(刑法56条等)は、犯罪の反復という刑事上の責任を評価する規定であって、特定の職業や公的地位への就業を制限する「人の資格」に関する規定ではない。したがって、同条の「人の資格に関する法令」には、刑法上の累犯加重の規定は含まれないと解される。
結論
少年法60条は累犯加重規定の適用を排除しないため、少年のとき犯した罪を前科として累犯加重を行うことは適法である。
実務上の射程
少年法に関する刑事訴訟・刑法の交錯分野で問題となる。少年時代の前科を理由とする累犯加重が争われた際、限定解釈の根拠として本判例を引用し、刑事責任の評価と公的な資格制限を区別する論理として活用する。
事件番号: 昭和23(れ)1960 / 裁判年月日: 昭和24年5月28日 / 結論: 棄却
一 新刑訴第四一一條ば上告裁判所の職權事項としての規定であつて上告申立理由としての規定でないことは、既に當裁判所の判例とするところである。(昭和二三年(れ)第一五七七號、同二四年五月一八日大法廷判決) 二 量刑不當を上告裁判所の審判事項とするや否やは、一に裁判所の審級制度並びにその事物の管轄に關する訴訟制度上に關する問…