刑法第一八条は、憲法第一一条、第一三条、第一八条に違反しない
刑法第一八条は、憲法第一一条、第一三条、第一八条に違反するか
憲法11条,憲法13条,憲法18条,刑法18条
判旨
刑法18条(労役場留置)は、憲法11条、13条、18条に違反せず合憲である。罰金を完納できない者に対する労役場留置は、刑罰の実効性を確保する合理的な制度である。
問題の所在(論点)
罰金を完納できない者を労役場に留置し、作業に従事させる刑法18条の規定は、憲法11条(基本的人権の不可侵性)、13条(個人の尊重・幸福追求権)、18条(身体的自由・苦役の禁止)に違反し違憲か。
規範
罰金を完納することができない者を労役場に留置することを定める刑法18条は、身体の自由を制限するものではあるが、憲法11条(基本的人権の享受)、13条(幸福追求権)、18条(奴隷的拘束・苦役からの自由)の規定に照らしても、これらに違反するものではない。
重要事実
被告人が刑法18条に基づき労役場留置を命じられたことに対し、弁護人が同条は憲法11条、13条、18条が保障する基本的人権を侵害し、意に反する苦役に該当するため違憲であると主張して上告した事案である。
あてはめ
判旨は詳細な理由を述べていないが、先行する大法廷判決(昭和25年6月9日判決等)を引用し、刑法18条が違憲でないことは明らかであると判断した。これは、金銭債務の不履行による身体拘束とは異なり、刑罰としての罰金の強制執行を確保するための代替的措置であり、法の下の平等や身体の自由の不当な侵害にはあたらないという趣旨であると解される。
結論
刑法18条は憲法11条、13条、18条に違反せず、合憲である。
実務上の射程
罰金刑の実効性を担保する労役場留置制度の合憲性を端的に示した判例である。答案上では、罰金が払えない者に対する身体拘束の正当性が問われた際、同条が苦役の禁止や身体の自由を侵害しない根拠として本判決の立場を引用することができる。
事件番号: 昭和28(あ)1212 / 裁判年月日: 昭和30年1月11日 / 結論: 棄却
論旨は、所論業者と接待婦との間に雇用関係があるとした原判決の判断を不当とするのであるが、原判決の判断の正当であることは、さきに当裁判所が職業安定法五条の雇用関係につき判示したところに徴し明らかである(昭和二七年(あ)三六二六号同二九年三月一一日第一小法廷判決参照)。従つて、原判決が雇用関係を認めたことの違法を前提とする…