上告棄却決定に対する異議申立てには、刑訴法四一五条三項の期間延長の申立てに関する規定の準用はない。
上告棄却決定に対する異議申立てと刑訴法四一五条三項の準用の有無
刑訴法385条2項,刑訴法386条2項,刑訴法414条,刑訴法415条
判旨
上告棄却決定に対する異議申立てについては、判決訂正申立て期間延長を定めた刑訴法415条3項の準用はなく、また期間経過後の異議申立てについて同法56条1項による期間延長も認められない。
問題の所在(論点)
上告棄却決定に対する異議申立てにおいて、刑訴法415条3項(判決訂正申立て期間の延長)が準用されるか。また、異議申立て期間経過後に刑訴法56条1項に基づき期間を延長することが可能か。
規範
上告棄却決定に対する異議申立てには、判決の訂正の申立て期間の延長に関する刑事訴訟法415条3項の規定は準用されない。また、法定の申立て期間を経過した後にされた異議申立てについては、同法56条1項による期間延長の余地もない。
重要事実
申立人は、最高裁判所による上告棄却決定に対し、異議申立てを行った。その際、申立人は判決訂正申立て期間の延長(刑訴法415条3項)が異議申立てにも準用されることを前提として、期間延長の申立てを伴う異議申立てを、本来の異議申立て期間が経過した後に提起した。
事件番号: 昭和44(す)313 / 裁判年月日: 昭和45年1月29日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定においてなされた未決勾留日数の本刑算入に関する判断に誤りがある場合、検察官の異議申立てにより、当該算入部分および根拠法条の記載を削除する更正を行うことができる。 第1 事案の概要:麻薬取締法違反被告事件について、最高裁判所が昭和44年12月24日に上告棄却の決定を下した。その際、主文…
あてはめ
刑事訴訟法415条3項は「判決の訂正」を対象とする特則であり、決定に対する「異議申立て」にこれを準用する明文の規定はない。本件申立ては同条の準用があることを前提としているが、手続の性質上、準用は認められないと解される。さらに、本件異議申立ては法定の期間経過後になされており、刑訴法56条1項による救済の要件も満たさないため、期間延長を認める余地はないといえる。
結論
本件申立ては不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
最高裁の決定(上告棄却等)に対する不服申立手続において、判決訂正の手続規定を安易に類推・準用できないことを示した。答案上は、刑事訴訟手続の法定期間の厳格性や、判決訂正と異議申立ての峻別を論ずる際の根拠となる。
事件番号: 昭和45(す)113 / 裁判年月日: 昭和45年6月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした判決訂正の申立てを棄却する決定に対し、さらに抗告を申し立てることは法律上許されない。 第1 事案の概要:強盗殺人および死体遺棄の被告事件において、最高裁判所が上告棄却判決を下した。これに対し申立人が判決訂正の申立てを行ったところ、昭和45年5月27日に最高裁判所が同申立てを棄却する…
事件番号: 昭和42(す)343 / 裁判年月日: 昭和42年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する異議申立てにおいて、申立てに理由がない場合、または申立期間を経過した不適法なものである場合は、いずれも棄却される。 第1 事案の概要:被告人AおよびBは、傷害、逮捕、恐喝等の罪に問われ、最高裁判所(昭和41年(あ)第2544号)により上告棄却の決定を受けた。これに対…
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…
事件番号: 昭和44(す)314 / 裁判年月日: 昭和45年1月8日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、上告棄却の決定においてなされた未決勾留日数の算入について、検察官からの異議申立てに理由があると認め、算入日数を「40日」から「本刑に満つるまで」へと更正した。 第1 事案の概要:被告人の恐喝、同未遂、脅迫被告事件について、最高裁判所は昭和44年12月24日に上告棄却の決定を下した。そ…